• 事業仕分けについてついて思うこと

    • 予算編成に対するチェックは議会に役割があり、国政では野党が担っている。
    •  政府の行政刷新会議による3回目の事業仕分け11月18日に終了した。自民党政権による予算に切り込んだ昨年の仕分けと異なり、閣議決定した新成長戦略をもとに自ら編成した予算を評決することに対し民主党内で事業仕分け不要論も出るなど仕分け自体に疑問が示されている。
       従来、一度計上された予算費目は、翌年以降の要求段階や査定段階で「必要か否か」が必ずしも十分吟味されず、「執行の実態」についても効果の判定が緩いという面は否めない。公開の場で政策の目的や効果についてきちんと説明し、評価をうけるという事業仕分けの手法は、執行側の説明能力や規律を高めるとともに、民間人の価値観を反映させることによって、予算編成からしがらみや惰性、利害などが排除されるという期待がある。
       加藤秀樹行政刷新会議事務局長は、「事業仕分けは、政策を議論する場ではない。事業目的の是非を議論するのは政策論であり、事業仕分けはその事業についた予算が目的通り実際の現場で有効に活用されているのかを調査するものである。」と説明しているように、事業仕分けはあくまで判定であり、評価者に予算削減を行う権限・強制力はない。つまり、結論がどう予算に反映されるかは、予算編成権を持つ側の予算査定の動向と執行権者の政治判断、そして議会の議決によって決まることになる。
       民主党政権は、昨年、事業仕分けを政治ショー化し、メディアも大きく取り上げて喝采した。仕分けの対象が自民党政権下で編成された予算編成と効果に対してであり、それは「予算のムダ」をアピールする極めて有効なツールだったが、議院内閣制を採用する国政では、予算編成権と政治判断、議会の議決のいずれの責任も与党が負うべきものであり、昨年と今年は全く状況が異なることを自覚すべきである。
       一方、地方議会は立法機能を有すると同時に首長に対するチェック機能が、議会に与えられた役割である。つまり、地方は議会全体が執行者に対するチェック機関であるのに対し、国政のそれは野党にその役割があるということである。民主党は、いま、政権交代による執行者としての苦しみに喘いでいる。それは「予算のムダ」を野党として厳しくチェックして是正できなかった力量の不足に端を発するのであり、自民党が野党として、予算のバラマキを阻止できなければ、政権復帰をしても同様の道を辿るのではないかと思う次第である。
       
    • 掲載日: 2010年11月20日

 



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