• 国は平成23年度予算を全面組み替えし、政策転換すべき

    • オールジャパンできちんとした経済運営のもとに震災対策を講じないとインフレと金利上昇を招きかねない
    •  東日本の震災の影響からか建設資材や住宅関連物資がジワジワ値上がりし、供給不足が顕在化してきました。一時的に円高が急伸しましたが、為替管理をしっかりと行い、注意深く経済運営を行えば、デフレギャップに苦しんできた日本ですが、GDPの5%が消失したと言われる大震災によって一気に解消するかも知れません。
       最近発表された『「子ども手当」「高速道路無料化」「高校無償化」「コメ補償」“4K予算”はすべて廃止して、年10兆円を超える存分な復興資金を投じるべき』とする、三橋 貴明氏(作家、経済評論家、中小企業診断士)のレポートを紹介します。

       日本の建設投資はバブル期にいったんピークアウトしたが、その後、96年に2度目のピークを迎えた。阪神・淡路大震災を受け、まずは95年に土木投資が、翌96年に住宅投資が増えた。震災からの復興は、インフラ再整備のための土木投資に始まり、民間の住宅投資拡大に波及するというプロセスを踏む。
       バブル崩壊後、政府の総合経済対策により、景気は次第に回復し、また、阪神・淡路大震災の復興事業によって96年の日本の実質GDP成長率は2.6%、名目GDP成長率が2%と、バブル崩壊の痛手から脱したかに見え、翌97年には名目GDPの成長率が2.1%と、ついに実質値(1.6%成長)を上回り、日本経済は97年に一時的に、デフレを脱した。
       ところが、橋本政権の消費税増税、公共投資削減などの総需要抑制策により、景気は失速し、98年には実質GDP成長率マイナス2%、名目GDP成長率マイナス2.1%と、日本経済は奈落の底に突き落とされてしまったのである。
       日本はデフレギャップにより、政府が国債を増発し、東北地方の復興のために支出しても、インフレにはならない。 通常は、震災等による国内需要の拡大は、供給能力の不足による物価上昇をもたらし、実質金利が下落し、通貨は売られやすくなるが、日本の場合は、1ドル=76.25円と、対ドル最高値を更新した。
       日本がやるべきことは、TPPなどではなく、有り余る供給能力を活用し、政府主導で東北地方を復興することである。東日本大震災の被害総額は、20兆円前後に達する見込みで、民間の資金需要が低迷し、銀行が過剰貯蓄問題に悩んでいる環境下においては、政府が国債増発で資金を吸い上げても、長期金利は上昇しない。
       直接的にGDPを拡大するわけではない所得移転系の支出、すなわち「子ども手当」「高速道路無料化」「高校無償化」そして「農家戸別所得補償」といった、いわゆる4K予算は、すべて廃止し、被災地に振り向けるべきで、被災地住民に所得移転をすべきである。
       さらに、福島原発が被害を受けたことで供給が不安定化している電源開発の強化や全国的な防災事業、小中学校の校舎耐震化や、高速道路の耐震化プロジェクトの再始動など、「日本国民の安全を高めるために」公共投資を推進し、政府の支出を起爆剤に民間の資金需要を拡大し、「総需要拡大」によりデフレ脱却を図るべきである。
       デフレ脱却策が明確にも関わらず、TPPという構造改革や消費税アップなどの緊縮財政など、すなわち「インフレ対策」を実施し、デフレを深刻化させる愚を二度と繰り返してはならない。
    • 掲載日: 2011年3月31日

 



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