• 「痛みを分かちあう」と言うこと

    • みんなで少しの我慢をしよう
    •  国会では「復興基本法」の修正協議に並行して、菅内閣に対する不信任決議が取りざたされています。被災地の復興のためには、早急なる特別立法と予算執行が不可欠であり、震災から80日が経過して、いまだに与野党協議が決着できないことに、国政の問題点が露出しています。
       菅首相の「浜岡原発の運転停止」「自然エネルギー20%」発言などは、党や内閣で議論し、方針決定することなしに、突然発表されました。事故対応の組織乱立や東京電力の賠償責任、復興に要する予算の財源などに対する見解も場当たりで、政府や政権与党の方針が法律案として国会に提案されない状況は、首相就任後から全く変わらないように思います。
       原子力損害賠償法は、原子力施設の運転中に発生した事故によって、損害を受けた被害者を救済するため、原子力事業者に対して原子力損害賠償責任保険への加入を義務付け、1200億円を超える原子力損害が発生した場合には、国が事業者に必要な援助を行い、被害者救済に遺漏がないよう措置するものです。原子力災害は、天災や社会的動乱の場合を除いて、原子力事業者に損害賠償の責任がありますが、福島原発事故の規模は、事業者である東京電力の対応能力を超えたものであり、国の全面関与なしには解決できません。しかし、「責任は東電にあり」の発言が続いており、被災者への補償など、後手、後手の応対を見るにつけ、何をか況やの観があります。
       10兆円とも言われる復興に必要な財源は、国民で痛みを分かちあうという観点から、事業者は控除前所得の1%、サラリーマンは給与の1%、生活保護や年金給付の1%など、皆んなが収入の1%を復興財源として拠出してはと考えます。復興債の発行は、次代にツケを廻すもので、痛みを分かつということにはなりません。
       先日、東日本大震災被災地を訪れました。そこで、まず、目の当たりにしたことは津波凄まじい威力と膨大な瓦礫、異臭で、避難所では、肩を寄せ合い暮らす人々は、家族や親しい人たちの安否を心配しながらも哀しみを乗り越えて生きるのだという強い思いを感じました。また、懸命に救助、復旧活動にあたる自衛隊や消防、警察の皆さんに注がれる住民の視線が、小生が未だ感じたことのない畏敬とも思えるもので、困難な状況下での作業を続ける姿には自然と頭が下がりました。
       どこまでも続く瓦礫を前にして思ったことは、海岸線沿いに幅50m、深さ15mくらいの穴を掘って、瓦礫を埋設し、掘削土を盛土し、緑化すれば自然の津波防波堤となるのではと言うことでした。これから、震災の瓦礫について莫大な時間と手間、予算が必要になるでしょうが、随分前のことですが、関東大震災の瓦礫で横浜の山下公園が作られたと聞いたことがあり、瓦礫処理に生かせるのではないかと思いました。
       今回の東日本大震災に際しては、誰もが「今、いちばん困っている人たちのために少しの我慢をする」という気持ちになることが大切だと思います。国政にあたる政府や国会議員の皆さんには、是非、国民にそう呼びかけていただきたいものです。何一つ不自由のない暮らしをしてきた私たちが、いかに恵まれ、幸せであったのかを顧みて、今こそ、子や孫につなぐという歴史的な役割を果たさなければなりません。「痛みを分かち合う」言葉では理解できても、被災地の現実とのあまりの落差に自らの不憫を感じる毎日です。 
    • 掲載日: 2011年6月01日

 



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