• 「いのち(平和)を守る覚悟」について再考する

    • テロや争乱に備えた情報収集や安全対策を徹底する必要がある
    •  2013年1月16日、アルジェリア南部イナメナスの石油施設で武装グループが日本のプラント建設メーカー日揮の関係者を含む多数の人質を取って立てこもり、アルジェリア軍の掃討作戦によって武装勢力、人質の双方に多数の死者が出たと報道されています。テロの犠牲になられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げます。
       日本人には『人命最優先でテロリストと交渉すべき』とする考え方がありますが、世界は『テロリストに厳しく対処して公共の治安を守べき』とする方が主流で、犠牲者が出ることを覚悟の上で強行対処されることが珍しいことではありません。
       1977年9月28日に起こったダッカでの日航機ハイジャック事件では、当時の福田赳夫首相が「一人の生命は地球より重い」と述べて、身代金600万ドルの支払いと超法規的措置として服役中の赤軍メンバーらを釈放したため、後に「日本はテロリストを野に放った」として外国から大きな批判を浴びました。
       今回の17人の日本人関係者のうち10人の安否が不明という厳しい事態には、不便な砂漠地帯とは言え、事件発生以来、現地の状況が断片的にしか伝わらず、人質の安全を優先する方策を探るべきとする関係国に対し攻撃の事前通告がされないなど、アルジェリア政府の対応を拙速とする声があります。
       しかし、アルジェリア内務省は、武装勢力が人質を連れて外国に出ようとしたことなどから軍が救出作戦に踏み切ったとする強硬手段の正当性を強調する声明を発表しており、イスラム勢力のテロで多くの犠牲を被ってきた教訓から、「テロリストとは交渉しない」との非情な態度を貫く世界の現実を見せつけられた思いがします。
       安倍首相は深刻な事態に対する陣頭指揮すべく、東南アジアでの外交日程を短縮・帰国しましたが、一連の事案は、日本政府や企業にテロや争乱に備えた情報収集や安全対策を緊急に徹底する必要があることを示しました。世界経済の拡大や円高によって日本の製造業の海外生産比率は上昇の一途で、イスラムのテロのみならず中国での反日暴動、インドでの労務暴動など新興国特有の治安や労務リスクへの対応は待ったなしであり、同時に「平和(いのち)を守る覚悟」という世界の常識についてもコストを含めてきちんと認識する必要性を感じました。
    • 掲載日: 2013年1月21日

 



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