• 国政の最重要課題が加計問題とばかりの国会対応には疑問

    • 獣医師は大きく不足している
    • 日本獣医師会によると1998年に29,643人であった獣医師数は、2014年には39,098人に増加し、そのうち40%強が犬猫など主としてペットの小動物を診療する獣医師で、1998年から約1.8倍になっているそうです。一方で、自治体職員として家畜の防疫対策や食肉等の衛生検査にあたる公務員獣医師は大きく不足し、公務員獣医師の定員を定める自治体20都道県のうち、島根県を含めて12道県が定員に満たない状況があり、検疫や鳥インフルエンザ、口蹄疫対策など、畜産振興や食の根本的安全の観点からも獣医師の確保が課題となっており、6月定例県議会の質疑では中四国9県全てで公務員獣医師の不足が明らかにされました。
       獣医師の資格保持者は一定数あるにもかかわらず、公務員獣医師が不足しているのは給与面での待遇が悪いからだと言われていますが、島根県や鳥取県でも制度化されている通り、ほとんどの都道府県で奨学金の支給や一定期間の勤務で返還免除が規定されています。同じく参考人招致された加戸守行前愛媛県知事は、国家戦略特区による加計学園の獣医学部の誘致を進めた今治市の構想が文科省から「獣医師は足りている」として10年以上も門前払いされた一方で、獣医学部は930名の定員に対し1200名が入学している実態を黙認していると証言されたように、現状は「実態として不足している」と解するべきで、養成機関の増設は十分な合理性があり、社会的な要請事項であると思います。 
       国会では7月10日に前川喜平前文部科学省事務次官を参考人招致して、政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関する閉会中審査行われましたが、「事務次官在任中に指摘しなかったことを悔やむ」とする前次官の発言は「事務方トップとして容認した」ということであり、「総理の意向によって行政上の公平性が損なわれたか否か」とする問題の根幹を曖昧にし、議論を「あった」「なかった」のワイドショー化させた原因のように感じました。
       さきの韓国の大統領弾劾は北朝鮮に格好のスキを見せたも同然の事態と見え、ヒートアップしやすい国民性は理性的で鷹揚な日本人とは大きく違うと感じていましたが、森友や加計の問題処理に多くの時間を費やす国政野党やマスコミの姿勢は大きく国益を損なうもので、明確な対応を怠った内閣や政党支持率の低下は当然です。
       とりわけ、北朝鮮の核開発や度重なる弾道ミサイルの発射実験によって、対岸地域となる日本海側の住民は不安を抱える日常となっており、また、7月に入ってからの梅雨前線豪雨で甚大な被害を被っている最中に、直面する国政の最重要課題が加計問題とばかりの国会対応には疑問を呈します。
       国民は延々と続く予算委員会での政治姿勢の追及や議員の政治資質にかかわる議論を望んではおらず、当面する国政の最重要課題をこそ審議してほしいと願っているのであり、政府は国家戦略特区設置の意義と地域指定の経緯、具体的には特区指定による今治市への獣医学部設置の申請手続きや審査のありかた、指定にかかる官邸の関与の有無などについて関係者が改めて丁寧に説明し、1日も早く政治不信を払拭して、政治(内閣・国会)が正常化するよう期待します。
    • 掲載日: 2017年7月12日

 



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