平成25年9月定例県議会一般質問(3)

  •  「起きる」「なくなる」という意識について

    • 『足ることを知る者は富めり。強めて行う者は志有り』とは「老子」にありますが、生きると言うことはただ「息をする」こととは違います。
       本年の豪雨災害では「危機管理」や「危機意識」の必要性の有様を再認識させました。昭和58年の災害の教訓が生かされ、日頃の備えや防災体制の整備、河川や公共施設の整備、携帯電話やインターネットなどの通信手段の高度化などもあって、激甚災害に指定されたほどの大災害でありながら、わずかな人的被害ですんだことは幸いでありました。

       ところで、厚生労働省は新型インフルエンザの対応について目、耳を疑うほどの過剰な対応が取るとのことで、側聞するところでは、従来3年から5年に延長したタミフルの有効期限を10年に再延長し、都道府県に対し備蓄を倍増させる方針とのことであります。
       過去、島根県で、新型インフルエンザ対策として投入した予算総額と、県の一般財源投入額、タミフルなどの抗ウィルス薬の備蓄状況と有効期限についてお聞かせ下さい。(健康福祉部長)

       危機管理は、何が必要で、何が無駄かをきちんと区分けすることがまず大事です。行政の予算や人には、限りがありますから、優先順位をつけた取り組みが必要であります。とりわけ、「起こる」という前提での取り組みが不可欠なことは東日本大震災で思い知らされました。
       人間は欲深く「足るを知る」ということがありません。ほぼすべての人間がものに飽かされるということを知らず、お金や物は言うにおよばず、名誉や名声、地位、権力などの現世的な功利を求めて奔走しています。

       私たちが生きるために必要な知識は、家庭や学校、職場などで「世間知」という形式で身につけますが、「生の意義」は、正統の宗教や哲学の書物に触れて自ら学ぶことをしなければ知ることはできません。
       人間がこの物理現象界で生きていく上で、一番に優先されるべき事は、自己の生を維持することで、与えられた肉体生を寿命が尽きるまで無事に生き抜くために、日々の生を安心、安全に暮らすことが重要です。そのためにこそ、人間は働いて金を稼ぎ、生活に必要なものを購って、肉体生を維持していくのです。しかし、生の意義を知らずに物欲的な生を続ければ、人は精神進化の道で停滞してしまいます。
       人間の進化は「豊かになりたい」と言う欲求の歴史ですが、人間の本性である意識の本質や普遍性について把握しないまま、具象的な世界で満足の度合いを計るため、卑しい欲望から脱することができないのだと思います。
       貧富強弱に拘わらず、生を受けた者は必ず死にますから、ヒトの死亡率は100%。小生も50の半ばを過ぎ、折りにふれて、来し方を自省する機会が多くなってきたように思います。沖縄の方言に「命どぅ宝」という言葉がありますが、亡くなるからこそ、私たちは自らの命を大切にすべきであり、常に「命には限りがある」という意識を持たなければなりません。

       自分の意思が確認できない人に人工呼吸器を装着する、また、胃ろうによって強制的に体内に栄養を送り込むなどの状況には、人間の尊厳はいったいどこにあるのかと考えさせられます。IPS細胞の研究・開発によって移植医療や遺伝子医療が飛躍的に進化することが予想されますが、だからこそ、死生観や人間の尊厳についてきちんと学び、死が約束された生物として「死すること」について考える必要があります。

       「無くなる命」と「助かる命」について私たちはもう一度向き合わなければならないと思います。もちろん、人間にとって「いのち」は一番大切です。だからこそ「いのち」をかけて子や孫、家族、同胞を守る義勇を尊ぶわけであります。「人のいのちは地球より重い」と言った日本の総理大臣がありますが、ただ「生かす」ために社会給付を続けることに私は大きな違和感を覚えます。

       NHKで、昨年11月15日「おしゃべり”で老化を防げ!」、本年9月16日「ぎんさんの娘たち “死”を笑う日々」の2回の番組で、国民的人気者だった双子姉妹「きんさんぎんさん」のうち、蟹江ぎんさんの4人の娘たち、長女・年子さん(99)、三女・千多代さん(95)、四女・百合子さん(92)、五女・美根代さん(90)、平均年齢94歳の4姉妹の生き方が紹介され、小生は頭を殴られるごとき衝撃を受けました。「私らは、子も育てたし、親も送った。何も思い残すことはない。後は、瞬間死が迎えられるように神仏に拝んでいるのよ」とありました。
       私は「生きる」という自らの意思が確認でき、家庭を含めた社会に自らの生存が貢献できる間は、医療や介護などについて社会給付を受けることは是としますが、年齢を重ね、自ら食事を摂ることができない、自らの意志が表明できないという状況になった場合、社会給付で自らの生存を延長させることは潔しとはしません。それが、自分の家族であっても、同じで、自らの意思と負担で行うべきものだと思います。
       「散る桜 残る桜も 散る桜」。私たちは、「必ず死ぬ」「必ずなくなる」という意識が必要で、だから、「どう生かすか」「どう死なすか」ということを同時に考えなければならないと思います。生まれると死ぬはイコールだと釈迦は教えていますが、現在のいわゆる延命治療・介護と言われるものに対し、私たちはもう一度その必要を根本的に議論すべきだと思います。「なくなる命」と「救える命」について、知事は適切な社会給付の範囲をどのようにお考えになりますか。(知事)

       また、「『いのち』が一番大切」という一面、もっともな理屈が、過剰な社会給付を生み、無駄とも思える医療、介護の現状があるように思います。防災・減債あるいは感染症への備えなど、どの範囲まで社会、いわゆる行政が社会給付として措置すべきとお考えになっているのか、自らの死生観を含めて知事の所感をお尋ねし、質問を終わります。(知事)
  • 溝口善兵衛知事答弁

    • 延命治療、介護について
    •  高齢化の進展、医療技術の進歩の中で、過剰な医療を避け、尊厳を持って死を迎えるという、いわゆる尊厳死の問題や、終末期医療、介護のあり方、議員がおっしゃったように、どこまで公的な活動、支出、議員はそれを社会給付と言っておられるようでありますけども、そういうもんでどこまで支えるかというのは非常に大きな問題でありますが、簡単に決めることは難しい問題ですね。それは人々によって意見がいろいろ違うからであります。
       そういう意味におきまして、例えば尊厳死などにつきましては、近年いろいろ行われておるのは、元気なうちに、家族と自分が終末期に病気になったような場合にどうするかということを話し合っておかれる、それが非常に大事なわけでありますけども、そういうことがなかなかないと、人工的な手当てでありますとか、あるいは介護、医療をどこまで進めるかというのは家族はなかなか決められませんし、お医者さんも決められない。そういうことでありますので、やはり個人個人がどういうふうにそういうものを考えるかということをやはり家族の中でよく話をされておくということが大事ではないかと言われておるわけであります。
       しかし、それだけでなく、そういうことができないこともありますし、できておってもなかなかそれが言いにくいというなこともあるようであると聞いておりますけども、そういう意味で、社会的な給付をこういう問題においてどうするかというのは、やはり国民的な大きな問題であります。そういう意味で、これにつきましても、やはり政府におかれて専門家あるいは各界の意見なども聞きながら取り組んでいく、そういう課題ではないかということでございます。私自身がこの問題について、今申し上げているようなことについてどうするこうするという具体的な意見は有していないわけでございます。もちろん国の議論、各界の議論はよく注視をし、どうすべきかということはよく考えていきたいというふうに思うところでございます。
       それに関連をしまして、防災、減災、感染症などについてもどこまで社会的な給付、公的な関与をしていくのかというのも同様の問題でありまして、例えばインフルエンザなどによってタミフルなどをどこまで手当てをするのか、準備をするのか。国は一定の基準を設けておりますけども、その基準自身がやや多過ぎて、医薬品の無駄にならないかという議論もあります。議員も指摘されてるわけでありますが、これもやはり専門家の意見などを聞いて国が一定の基準を決めてるわけでございます。いろんな意見が違う問題は、やはり多くの意見を聞いて決めるというのが常道だろうというふうに考えております。
  • 原仁史健康福祉部長答弁

    • 新型インフルエンザ対策について
    •  まず、執行した予算の総額ですが、平成17年度から平成24年度までに新型インフルエンザ対策として執行した予算総額は約10億7,400万円で、このうち約8億9,000万円を県の一般財源から支出しております。残額は国庫補助金です。その主な使途ですが、医療機関での人工呼吸器や簡易ベッドなどの整備に約3億8,100万円、抗インフルエンザウイルス薬、これ先ほどのタミフルとかリレンザなんですが、これの購入約3億1,400万円、個人防護服の購入約2億1,800万円、平成21年に新型インフルエンザが発生した際のワクチン接種助成約8,300万円となっております。
       備蓄状況等ですが、2種類の抗インフルエンザウイルス薬、商品名はタミフルとリレンザでございますが、この2つの薬を備蓄しておりまして、現在の備蓄量は、タミフルが12万8,516人分、リレンザが1万5,000人分、合計14万3,516人分となっております。
       タミフルですが、これは有効期間が10年とされておりまして、これは平成17年から平成22年にかけて分割して購入しております。有効期限は平成27年から32年となっております。また、リレンザ、これは有効期間が7年とされておりますが、これは平成21年に購入しておりまして、有効期限は平成28年というふうになっております。

 


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