平成27年9月定例会一般質問(5)

  • 農林水産業対策について

    •  まず、農林水産業の労務災害の実態について伺います。
       平成22年から昨年まで5年間に県内で発生した、農林水産業従事者の労働災害の現状(法人雇用者および個人事業者)と農林水産業従事者の労災保険への加入状況についてお聞かせ下さい。(農林水産部長)

      県内の農林水産業の後継者は収益性の困難さや施設の初期投資の問題などもあって、なかなか増加していません。販売価格に対する生産者の手取りは、販売方法等に差異があって一概には言えない面もありますが、農業は29%、水産は22%、林業は4%だと言われ、採算性、収益性について、極めて厳しいとの指摘がされていますが、この5年間の県内の新規就業の推移についてお尋ねするとともに、近年、とみに農林水産業の収益性の低下が言われますが、その実態をどのように把握されているのかお尋ねします。(農林水産部長)

      また、国、県、市町村ともに農林水産業の後継者や新規就業を促すために様々な対策を講じていますが、さほどの効果は上がっていないように感じます。例えば、認定農業者の事業承継者が子である場合や農業法人の後継者に対する支援は、「農業の後継者」という本質は同じでありながら、不合理とも思える条件があります。
      担い手の高齢化や農山漁村の過疎化の進行など、厳しい条件下にある島根県にとって、後継者の育成や確保対策には、必ずしも国の要件をそのまま当てはめる必要はないと思いますが、後継者や新規就業者を増加させるために、今後どのような施策展開を必要とするのかお尋ねします。(農林水産部長)

      県は産品のブランド化を進めて有利販売し、生産者の収益性を高めようとしてきましたが、必ずしも当事者の利益が上がって、有利販売という初期の目的が達成されたとは言えない状況が見られます。
      県内のほとんどの生産者は、依然として「生産するだけ」がほとんどで、流通、販売は農協などの系統生産団体や市場、小売店にお任せの状況です。ブランド化は「島根には本物がある」というコンセプトに合致し、産品のブランドイメージを確立した上で、島根そのもののブランドイメージとして売り出すという戦略があったはずですが、必ずしも実効があがっていません。まもなく、「たたら侍」のロケも大詰めとなり、映画が封切りされるとEXILE効果も予測され、大きな反響があると思われますが、ブランド化の現状と今後の対策についてお聞かせ下さい。(農林水産部長)

      農林水産業の収益改善には6次産業化の推進が不可欠な一方で、生産者と消費者がお互いに理解しあうことが大事です。食の安全やトレーサビリティが言われ、島根県でも認証制度が立ち上げられていますが、一般への浸透、評価はイマイチです。これを改善するには、生産者と消費者をつなぐ機会を増やし、消費者が生産の現場や生産者の努力を知る事が不可欠で、食育の普及が大切な所以でもあります。従来の「地産地消」に加えて、消費者と生産者が直接ふれあい、理解し合う「知産知消」の取り組みが始められていますが、これらに対する現状と課題、支援についてどう考えるのかお聞かせ下さい。(農林水産部長)

      県内でチップ発電がスタートしました。年間に必要な木質チップの量は16万トンと言われていますが、現状では、間伐材(広義の主伐材を含む)では到底間に合わず、製材端材を含めても不足すると言われています。
      しかし、現行単価では木材の伐採、搬出の採算が合わないとのことで、島根県の森林再生には結びつかないとの指摘を受け、愕然としています。行政として、発電事業者の皆さんに納入単価の引き上げを要請することはもちろんですが、高性能林業機器の導入や作業道の整備など生産性を向上させる対策が不可欠であります。
      ところで、国は、平成21年度から続けてきた「森林整備加速化・林業再生基金」の活用による作業道整備や間伐の促進、人材育成の事業を見直しする方針を示しております。
      平成28年度の概算要求には、新たな森林整備にかかる交付金の創設等が盛り込まれておりますが、巷間伝えられている財源となる新たな新税導入等は容易ではなく、本県の森林・林業に一筋の光を放った政策の後退は何としてもくい止めなければなりません。
      依然として木材価格が低迷している現状で、木材資源を採算ベースで循環利用するためには、作業道を整備し、高性能林業機械によって皆伐を行い、建築用主材、加工用材、バイオマス用材として分類、搬出し、すべての木材を残らず活用することが不可欠であり、そうして得た収益によってのみ再植を実施することが可能であります。
      そのためにも、木材価格が回復するまでの間、県は国に対して森林・林業の自立に向けた対策の必要性と採算性の向上のための林道、作業道の整備や高性能機械の導入、人材育成などについてきちんと伝えるべきであり、もちろん、議会も具体的な取り組みをすべきであります。
      この際、木質バイオマス資源の燃料用活用の現状と問題点についてどのように考え、林業再生にどのようにリンクさせるのか知事の所見をお尋ねするとともに、具体的な施策の実施に要する財源の手当について、国に対する働きかけを強める必要があると考えますがご所見をお尋ねします。(知事)

  • 坂本延久農林水産部長答弁

    • 農林水産業従事者の労働災害について
    •  農業分野につきましては、農林水産省の調査によりますと、ここ5年間に県内で農作業中に亡くなられた方は37人で、全て個人事業者でございます。このうち、65歳以上の高齢者の方が占める割合は86.5%と高く、農作業機械による事故が59.5%を占めております。
       次に、林業、水産業分野でございますが、これは島根労働局が統計調査を行っております。この調査によりますと、林業分野では、死傷者数は5年間で315人、うち死亡者数は7人、年齢別の災害発生割合に特に傾向は見られず、立木の伐採作業時の発生割合が高くなっております。また、同じ調査によりますと、水産業分野での死傷者数は年間10件前後で推移しております。
       次に、農林水産業従事者の労災保険加入の状況についてでございます。
       農業分野につきましては、個人事業者が多く、これらの事業者が任意で加入できる特別加入の平成26年度の実績についてですが、これは493人となっております。ここ5年間の推移を見ますと、加入者数はふえておりますが、依然として加入率は低い水準にとどまっており、個人事業者の方の加入率向上が課題となっております。
       次に、林業分野につきましては、就業形態はほとんどが森林組合等の林業事業体への雇用就業となっております。このため、労災保険については強制加入によるものがほとんどとなっております。
       水産業分野につきましては、底びき網漁業やまき網漁業等を行う法人経営体の雇用者については、労災保険が強制加入となっております。他方、沿岸漁業などの自営漁業者につきましては任意加入であり、これについては依然として低い加入水準となっております。
       こうした中で、特に農業分野の加入促進の取り組みとして、これまで集落営農関係者の研修時等における制度の説明ですとか、あるいは毎年開催される農業機械士の認定試験、あるいは機械展示会でのPR活動など、さまざまな機会を通じて制度の周知を行ってまいったところでございます。
       こうした中、本年3月のJA統合によりまして、これまで一部のJAに限られていた加入体制が全県的に拡大されたところでございます。今後は、これまでそうした事務組合の機能が整っていなかった地域を中心に、JAしまねと連携しながら、一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
       次に、2点目の御質問でございます。この5年間の県内の農林水産業の新規就業の推移と農林水産業の収益性の実態についてのお尋ねでございます。
       まず、平成22年度から26年度までの5年間における県内の農林漁業の新規就業者数の数は、全体としては、平成22年度の264人に比べて25年度は269人、26年度は285人となっておりまして、微増の傾向で推移しております。
       その内訳について見ますと、農業につきましては、22年度が140人、23年度が120人であったのが、25年度は161人、26年度は171人と増加傾向にございます。林業につきましては、原木増産や木質バイオマスの安定供給などに伴う雇用の創出に対応して、23年度は50人であったのが、26年度は81人と増加傾向にございます。水産業でございますが、おおむね毎年35人前後で推移し、26年度は33人となっております。新規就業者のほとんどは、まき網漁業や沖合底びき網漁業などに雇用される雇用型の就業者でございます。自営漁業の新規就業者数については、毎年数人程度という状況になっております。
  • 坂本延久農林水産部長答弁

    • 農林水産業の収益性と後継者確保について
    •  島根県の農林水産業について見ますと、国内外の農産物との競合等による生産物価格の低迷ですとか生産資材の高騰などを受けて、全体として収益性は低下しているものと考えております。
       まず、農業について見ますと、県農業技術センターのサンプル調査によりますと、米については、価格が下落したことにより、販売価格に対する生産者の手取りの割合、いわゆる所得率については、10年前の48%に比べて25年度は37%、26年度は大幅に下落し28%に減少しております。また、デラウェアやキャベツなどの園芸作物について見ますと、動力光熱費等のコストの増大によりまして、所得率はおおむね10年前と比べて7%から9%低下している状況でございます。
       次に、林業についてでございますが、これは先ほど申し上げた農業と同様の比較ができるデータではございませんが、原木価格について見ますと、平成2年に比べまして、杉材は6割程度に低下しております。そうした中で、この10年間は横ばいで推移している状況でございます。
       水産業につきましては、魚価がリーマン・ショック後大きく低下し、依然としてそれ以前の水準に回復していないこと、あるいは燃油や魚箱などの生産資材の価格も高価格で推移していることなどの要因によりまして、全般的に漁業を取り巻く経営環境は厳しい状況にございます。

       後継者、新規就業者の増加に向けた施策の展開につきましては、地方創生総合戦略の案におきまして、平成31年度までの5年間で1,400人の新規就業者の創出を目指しておりますように、今後取り組みを強化してまいりたいと考えております。
       具体的には、農業につきましては、市町村と連携し、就農と生活に関する情報をパッケージにして人材募集を行ったり体験ツアーを充実するなど、都会からの人材確保対策を強化してまいりたいと考えております。また、林業につきましては、就業相談や林業職場体験等の強化や、林業事業体へのアドバイザーなどの派遣を行いたいと考えております。また、漁業につきましては、体験学習など水産高校との連携による高校生の地元定着の促進などに取り組んでまいりたいと考えております。
       さらに、議員御指摘の点につきましては、現在の後継者や新規就業者支援制度の対象になりにくい場合の施策の拡充に向けまして、国への要望を行うとともに、県としても、厳しい島根県農業の現状を踏まえ、何ができるか考えてまいりたいと考えております。これらの取り組みによりまして、本県農林水産業の持続的な発展に向けまして、担い手の育成確保を進めてまいりたいと考えております。

  • 坂本延久農林水産部長答弁

    • ブランド化と「知産知消」について
    •  島根県におきましては、産品の有利販売に向けて、これまで消費者視点に立った商品づくり、販路拡大の取り組みを支援してまいったところでございます。しかしながら、景気低迷あるいはデフレ基調の中、市場価格が下落を続ける中での例えば米の販売、生産資材の価格が高騰を続ける中での園芸品目の販売については厳しいものがございます。また、具体的にその商談などで価格や商品ニーズが折り合わず、成立に至らないケースなどもございまして、全体として生産者の手取りの増加につながっていない場合もあると考えております。
       県といたしましては、今後、例えば美味しまね認証制度で、安全でおいしい産品をふやしていくこと、また6次産業化の取り組みによりまして、消費者に支持される価値の高い産品をふやしていくこと、さらにこれらの情報をインターネットのポータルサイトなどで発信するなど情報発信の取り組みを強めるといった取り組みによりまして、本物のイメージが広がり、生産者の手取り向上につながるように努めてまいりたいと考えております。

       これまで県としましては、生産者と消費者をつなぐ機会といたしまして、例えばさまざまなフェアの開催や展示会への出展、イベント等への出展による消費者への産品のPR、あるいは産地への理解を深めるため、現地を訪問する産地ツアーなどを実施しているところでございます。このうち、生産現場や生産者の努力を直接的に知っていただく機会である産地ツアーにつきましては、その対象や回数などが少ない、あるいは生産者が参加する多くのフェアや展示会においては産品の販売促進や商談といった形にとどまっているといったようなことが課題としてございます。
       県といたしましては、今年度から、美味しまね認証の中におきましても、消費者理解に向けた産地ツアーですとかフェアを実施することとしております。今後、食育の普及と同様に、生産現場や生産者の努力が消費者にしっかり伝わるように努めてまいりたいと考えております。

 


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