平成28年9月定例県議会一般質問(2)

  • 予防接種について

    •  危機管理という観点では、現在、じわじわと拡大している麻疹についてお尋ねします。
       9月4日、大阪府は関西空港で発生した麻疹の罹患者が34人と発表したことを皮切りに、感染拡大が報じられています。麻疹の感染力は空気感染するためインフルエンザの10倍とも聞きますが、感染力を示す「RO」数値を用いて、麻疹など、空気感染する感染症について説明してください。(健康福祉部長)

       私たちにとって麻疹は子供の頃に誰もがかかった病気で、高い熱と発疹が出たと記憶しています。麻疹には特効薬がなく、予防接種によって免疫をつけることで、完全に予防できるとされながら、そうなっていないのは、なぜですか。(健康福祉部長)

       今回の麻疹感染は関西空港から始まったようですが、危機管理の観点から言えば、県庁職員や教員、警察官など公務員の免疫保持または予防接種の状況を把握しておく必要があると考えますが、所用の対応は取られていますか。(防災部長)

       世界保健機関(WHO)は、西太平洋地域で2012年までに麻疹を排除することを目標に決めていますが、日本の麻疹感染は続いています。このまま感染が拡大すると、韓国MERSや中国SARSのように「日本は渡航することが危険な国」とされるおそれもあります。特に、島根県に感染が及ぶと、ただでさえ少ない外国人観光客がさらに減少するおそれがあります。この際、ワクチンの確保を図り、感染しやすい年齢層への予防接種を奨励してはと思いますが、お考えはありませんか。(健康福祉部長)

       実は、近年、乳幼児,学童へのワクチン定期接種を「副作用がある」として保護者が拒否する事例が出始めています。日本ではコレラやチフスなどは絶滅した感染症で、結核の発病が収束したのはBCG接種効果ですが、ごくわずかの可能性を主張する人に保育所や幼稚園、学校関係者は困惑しています。
      今後、県として、徹底した啓発と必要があれば個別の説得も必要だと考えますが、どのような対応を考えますか。(健康福祉部長・教育長)

  • 岸川慎一防災部長答弁

    • 公務員の免疫保持について
    •  知事部局ですとか病院局の職員、あるいは学校職員、警察職員のうち、麻疹に関する免疫保持の状況などについて把握しておりますのは、中央病院、それからこころの医療センター、それから各保健所の職員でございます。これらの職員に対しましては、まず抗体検査を実施をいたしまして、その結果を受けまして、抗体を十分に持っていない者に対して予防接種を受けるように推奨をするということをしております。状況としてはこういうことでございます。
       国の麻疹に対する予防の指針が示されておりますが、その中で、先ほど言いました医療関係業務従事者ですとか、それから生徒児童に接するような機会の多い学校の職員などは予防接種を推奨するようにという指針が出ておりますので、そういうことを踏まえて、県の業務上支障が出ないように、あるいは職員自身の健康管理ということを徹底するということもあり、学校現場の教職員が予防接種の2回接種をしているかどうかという確認については、今後進めてまいりたいと思います。
  • 藤間博之健康福祉部長答弁

    • 麻疹の感染について
    •  空気感染する感染症は、麻疹、はしかですね、水ぼうそう、結核の3つとされております。感染力を示すR0値、これは1人の患者が何人に感染させるかを統計的な計算で算出したものでありまして、国立の研究所によりますと、麻疹が16から21、1人いれば16人から21人感染するということでございます。水ぼうそうが8から10、結核は0.5以下となっております。
       一方、感染力が強いことで知られておりますインフルエンザは、これ飛沫感染をする感染症でして、R0値は2から3であります。麻疹はインフルエンザの約10倍でございます。
       インフルエンザは飛沫感染ということで、せきやくしゃみが半径2メートル以内にしか届かないのに対しまして、麻疹は空気感染をするために、広い範囲に感染を広げます。例えば体育館でも、閉鎖された空間に麻疹患者がいますと、免疫を持っていない利用者に感染させてしまうということになります。
       このように非常に強い感染力を持っている麻疹は、幼児や児童が感染すると命にかかわる重篤な症状となりまして、麻疹患者1万人では10人が脳炎を併発し、そのうち2人から4人が麻痺などの後遺症、うち1人が死亡するということがあります。麻疹にかかってしまいますと、有効な治療薬はありませんで、事前の予防接種が唯一の対策となっております。

      麻疹の予防接種について
       麻疹の予防接種は、医学的な見地から、現在は2回接種をするということになっています。初めて公的接種として開始されました昭和53年当時は、1歳から3歳児を対象とした1回接種でございました。当時は、周囲に麻疹患者が多数おりましたため、1回接種でよかったのですが、平成18年の予防接種法の改正で、小学校就学前の児童に2回目の追加接種を行うということとされました。これによりまして、患者数は激減をしていきました。
       このように、麻疹の予防接種が2回接種となって患者数の減少につながりましたが、依然として麻疹の免疫を持っていない者が一定数存在いたします。これは、1つには、先ほどの予防接種制度の変遷の中で、現在の20歳代後半から30歳代は1回しか受ける期間がなく、そのまま成人となっているということ、それからまた、近年も全国の子どもの定期接種の接種率を見ますと90%から95%でありまして、これは副反応に対する過剰な嫌悪感から一回も接種をしていない人が少数ながらいると、そういった理由が考えられます。
       本年、国内で麻疹患者が増加をしておりまして、これらの事例、海外からの持ち込みによりまして、免疫を持たない成人層に感染が拡大したものと考えられております。麻疹の患者発生をなくしていくためには、議員御指摘のとおりなんですが、1つに、幼児、児童を対象として行っている公的予防接種、この確実な実施に加えまして、先ほど申しました、1回しか接種をしていない成人層に対しまして積極的に接種勧奨するということが重要であると考えております。
       現在、一部医薬製造メーカーのトラブルもございまして、ワクチンの国内生産量が減少しておりまして、国のほうでは、当面の間、公的予防接種を優先して行うよう、自治体や医療関係者のほうに対応を求めております。県では、公的予防接種の確実な実施、これは当然進めながら、2回接種をしていない成人に対しまして接種勧奨を進めることができるように、ワクチン生産の回復、これを国に働きかけていきたいと考えております。

      ワクチンの定期接種について
       ワクチン接種を拒否される方の理由、さまざまあると思われますけども、一番多いのは、議員がおっしゃられるように副反応の情報に過敏になっている、これは最近の子宮頸がんワクチンの事例ということもあると思いますけども、副反応情報に過敏になっていること、また他方で、病気にかかったときの重症度とか合併症リスク、こういった麻疹の怖さが十分に伝わっていないということが考えられます。
       県としては、これまでも広く県民に対して予防接種を広報しておりまして、また教育や保育関係者が参加いたします麻疹風疹対策会議で接種率の向上に向けた取り組みを進めてまいりました。今後も、予防接種の重要性と副反応情報をわかりやすく説明した啓発資料、これを作成配布をしたりしまして、市町村や施設管理者と連携をして啓発の強化に努めてまいります。
  • 鴨木朗教育長答弁

    • ワクチン接種の必要性啓発について
    •  麻疹は極めて強い感染力を持っておりますので、子どもの感染拡大を防ぐためには、2回の予防接種によって子どもに免疫力をつける方法しか選択肢はないと、このように考えられております。したがいまして、未接種者には強く予防接種を勧める必要があると考えております。
       入学前の就学時健康診断では、全ての保護者に接種を促す文書を配付し、また診断会場で母子手帳を確認して接種を勧めております。入学後は、健康調査票で接種の状況を確認しております。
       こうして把握した未接種の子どもの保護者に接種を勧める際には、麻疹を発症した場合の症状やその重篤さ、感染拡大を防ぐ意義などを伝え、接種の必要性を理解してもらえるよう粘り強く取り組んでまいります。
       なお、子どもの接種状況を、これまでのようにいわば自己申告の形ではなく、漏れなく把握するためには、市町村の保健部局と教育委員会が個人情報を共有するやり方が効果的であり、実際にそのような方法で予防接種を勧めている市町村もございます。このやり方をとるかどうかは、個人情報の取り扱いに関する市町村の判断によることとなりますが、子どもの命にかかわることであり、市町村の適切な判断を求めていきたいと、このように考えております。

 


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