平成29年2月定例県議会一般質問(7)

  • 県立中央病院の経営について

    •  県立中央病院は、島根県全域をエリアとした3次医療を担う基幹病院として、高度、特殊、専門医療を提供するとともに、救命救急センターとしての機能を有するほか、地域医療のへの支援など県民が安心して暮らすための重要な役割を担っています。
      しかしながら、少子高齢化の進行による患者数の減少や国の度重なる医療政策の変更、医師確保の不足などに対する対応の遅れによって、いま、経営の根幹が揺らぎつつあります。
      中央病院は平成25年度に11年ぶりに単年度資金収支が赤字となって以降、26年、27年と3年連続の赤字を計上しており、平成25年3月に策定された病院中期計画2013(H25~H28)は、わずか2年後の平成27年3月に病院中期計画2015(H27~H30)に見直しされました。
      特に、近年の中央病院の決算を見ますと、平成26年度、673床の病床稼働率は81.6%から平成27年度に病床数を45床減の628床としたにもかかわらず78.1%に低下、医業収支比率が90%を割り、2年間でキャッシュフローが29億7500万円余のマイナスとなるなど極めて厳しい状況であり、提案されております平成29年度島根県病院事業会計予算の説明書に書かれております平成28年度の報告セグメントを見ますと、28年度の資金収支は15億円を超える大幅な赤字が計上予測され、80億円を超えていた現金預金は37億5千万円程度まで減少するとされており、大変心配しております。
       そこで、まず、28年度の収支、経営見通しについてお聞かせください。(病院事業管理者)
      また、医師の確保が困難な状況は県内どこの病院も同様と思いますが、「救急患者が大学病院に流れている」との噂はナンセンスだと思いつつも、「県中と医大が競争している」という話が一般でささやかれているところに胸騒ぎを覚えるのであり、中央病院と島根大学医学部付属病院との協調関係についてお伺いいたします。(病院事業管理者)
      中央病院は自治体病院が担う役割に対する他会計負担や施設整備に要する企業債への償還助成などによって、減価償却前の損益がプラスで推移し、過年度損益勘定留保資金の積み立てによる豊富な流動比率が、地域医療に必要となる設備投資を可能としてきました。
      病院局によると、現在、新しい経営改善計画を立案し、収支改善に努めるとしていますが、資金収支、いわゆるキャッシュフローのマイナスは、医療水準を決定付ける医療機器の設備投資の遅延につながり、それが自治体病院の使命である地域医療の水準を低下させる「負のスパイラル」に陥ることは何としても避けなければなりません。
      島根大学医学部および医学部付属病院にとって中央病院は医師養成に必要欠くべからざるカウンターパートナーですから、「中央病院が提供する医療の質」こそが、医師確保の絶対条件であることは論を俟たないところであり、そのためにも、適時・的確な設備投資を可能にする財務体質の保持は、病院経営のみならず、島根県の地域医療を守る観点からも大変重要な視点であると思っております。
      病院中期計画2015には、県民への病院の経営状況の十分な開示、的確な収支見通しの策定、適時の設備投資の実施が謳われておりますが、現在の医師の充足状況、および患者数の動向、周辺医療機関からの紹介率等についてお聞かせいただくとともに平成28年度末の財務状況予測についてもご説明ください。(病院事業管理者)
      提案されている平成29年度予算は中央病院、こころの医療センターともに赤字が計上されており、平成30年3月31日の資金残高は36億13百万円余と期首から16億8600万円のマイナスとなっており、期末手当の支給時などには資金が逼迫して金融機関からの借入を要する事態となることも予測されるのであります。
      その上で、知事にお尋ねしますが、患者数の減少に伴う今後の病院経営のあり方や医師確保、大学や周辺病院との連携体制について、どう考え、どう対処するのかをお聞きかせください。(知事)
      また、医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、安定的した病院経営を続けていくためには、医療を支える財務基盤や計数管理が不可欠であり、この際、経営刷新または病院に対するガバナビリティの強化を求めますが、お考えをお聞かせ下さい。(知事)
  • 溝口善兵衛知事答弁

    • 県立中央病院の病院経営について
    •  病院事業は地方公営企業法の全部適用が出されており、事業管理者の権限に基づき、法が求める自立した経営が基本となっております。島根県では、大都市部に比べまして医師の数や病院の数も少なく、医療政策上の支援が必要であります。医師の確保や周辺病院との連携体制につきましては、中央病院が今後も高度急性期病院としての役割を果たしていくためには、国の医療政策や地域医療構想を踏まえれば、島根大学医学部附属病院や周辺医療機構との役割分担と連携を一層推進していくことが必要であります。
       次に、医師確保につきましては、病院としての必要な医師の確保に病院としてさらに努力することを期待しておりますが、県としても医師確保や今後の地域医療の確保について、島根大学との意見交換を行うなど、医師の育成確保対策を推進し、医師確保に努めていく考えであります。
       次に、経営への刷新につきましては、地域医療を取り巻く環境が急激に変わる中で、中央病院に限らず病院経営のかじ取りが極めて難しい状況にあります。そうした状況の中で、中央病院としても公立病院改革プランを作成し、経営改善の取り組みが動き出したところでありまして、当面はこの取り組みの進展を見ているところであります。
       いろいろ課題がありますが、いずれにいたしましても中央病院は県全体の高度急性期医療を担ういわば県民の最後のとりでになってもらわないといけないと考えております。県民が安心して医療サービスを受けることができるよう、健康福祉部、病院局との連携を行い、島根県の地域医療の確保に努めてまいります。
  • 中川正久病院事業管理者答弁

    • 平成28年度の収支、経営見通しと島根大学との関係について
    •  近年、病院経営を取り巻く環境が厳しさを増している中で、平成25年度決算から単年度資金収支が毎年赤字となる状況に転じ、内部留保資金を取り崩しての運営となってきております。これに伴いまして平成24年度末に約91億円でありました内部留保資金は、平成27年度末には約68億円となり、そのうちの現金預金につきましても、この間約29億円が減少し、平成27年度末では52億5,000万円余となっております。
       平成28年度当初予算時点におきましても、建設時の設備整備の償還金が多額になるなどの要因から、15億円程度の内部留保資金の取り崩しを予定をしておりました。こうした厳しい経営状況にあるという認識のもとで28年度の病院運営に臨んでおりましたけれども、今年度12月末実績に基づく収支見通しでは、当初116億円程度と見込んでおりました入院収益が111億円程度になる見込みとなりました。収益が減少する一方で、不測の事態に備えて予算上確保している経費が最終的に不要となることも想定されますが、28年度の最終的な内部留保資金の取り崩し額は、当初見込みの15億円程度ではおさまらず、場合によっては19億円程度まで拡大する可能性もあり、厳しい経営見通しとなっております。
       議員御指摘のとおり、少子高齢化の進行や国の医療政策の変更など、病院経営を取り巻く環境は厳しく変わっていく中で、中長期的な視点のもとでの対応が必ずしも十分であったとは言えず、対応におくれをとってしまったことにより現在の状況を招いていることは申しわけなく、病院事業を預かる立場にあるものとして真摯に、そして重く受けとめております。
       島根大学並びに医学部附属病院は人材の育成、教育、研究をその基本的な目的として設置されたものであります。そのため、附属病院は医師の育成のために必要な臨床の場であり、また医学の進歩のために難病などの特殊な医療研究を行うための場とされており、特定機能病院に指定されております。
       一方、県立中央病院は県の基幹的病院として、島根県全域を対象とした高度な救急医療、周産期医療を始めとした政策医療を担う病院であり、県民に対する医療提供の最後のとりでという責務を負うものと認識をしております。
       このように設立の目的が異なる医療機関同士ではありますけれども、例えば小児外科は大学で担っていただき、中央病院は小児新生児医療を担っていくといったようにお互いの得意分野を生かし、役割分担しながら、よりよい医療を県民に提供できるよう協力、協調してきているところでございます。今後も健康福祉部とともに島根で働く医師の育成確保、医療の質の担保、地域医療の確保に向けて大学と連携、協調しながら取り組んでまいります。
  • 中川正久病院事業管理者答弁(2)

    • 医師の充足状況と今後の病院経営のあり方について
    •  まず、中央病院の現在の患者数の動向でございますが、1月末時点で入院患者数が14万8,000人で、対前年同期比6%、約1万人の減少、外来患者が20万7,000人で、対前年同期比5%、約1万1,000人弱の減少となっております。また、周辺医療機関からの紹介率は12月末時点で59%と、平成27年度の62%に比べ3ポイント低下をしております。
       これにより、冒頭でお答えをいたしましたように、平成28年度末の財務状況といたしましては、内部留保資金が33億5,000万円程度に減少する可能性もございますが、このような状況になった大きな原因は、特定の診療科において医師が充足していない状況に起因するものと考えておりました。例えば、常勤医師の退職により財政を縮小するなど、外科、消化器科、眼科、耳鼻科、産科など医師が充足されない状況が続いており、医師確保に向けさらなる努力が必要であると認識をしております。
       こうした状況に対しまして、まずは医師を派遣する大学にとっても魅力のある病院となるよう、医療機能の充実に努めるとともに、島根県の実情について各大学に十分説明し、地域医療の確保に理解を求めることが必要と考えております。
       いずれにいたしましても、島根県全体の医療を支える使命を負った県立病院として、健全経営の道筋を早期につけなければならないと考えており、昨年10月に策定をいたしました新病院改革プランの取り組みを加速させ、具体的な対策の検討整備に着手をしております。
       議員御懸念の負のスパイラルといったような状況に決して陥ることのないよう、今年度末でも30億円を超える内部留保資金が残る現段階において、事業を預かる者といたしまして経営改善に向けて最大限の努力を行ってまいります。

 


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