平成29年6月定例県議会一般質問(3)

  • 保育士の待遇改善と保育の「質」確保について

    •  東京都が職責や勤務年数に応じて賃金体系を定める人事制度の導入を条件に2017年度から保育士1人あたり月額平均4万4千円の給与補助を行なうとしたことをきっかけに、 国は、保育所等で働く全職種の給与を2%(月額6千円程度)改善し、民間の認可保育所で働く経験年数七年以上の中堅保育士約10万人を対象に、「副主任保育士」「専門リーダー」の役職を新設し、月給に4万円を上乗せし、 経験年数3年以上の若手向けに「職務分野別リーダー」職を新設し、研修修了を要件として月給5千円を加算する「待遇改善」を発表しました。
       厚労省によれば、保育士の離職率は、年間に10%を超える。また、潜在保育士に対する調査では、3年未満離職率は30.2%、5年未満離職率が50.7%にもなる。せっかく保育士になったとしても、早期離職し、保育業を離れてしまう場合が多いとされていますが、保育士の仕事は子どもの相手をする保育業務だけではありません。保育の記録を書く児童票や保育計画の作成、連絡帳やクラス通信の作成、催し物の準備など膨大な量の事務作業があります。
       多くの保育園は待機児童解消を掲げる行政の意向によって、ギリギリまで園児を受け入れており、子どもがいる間、保育士は保育のみにしか当たれず、事務作業は子どもがいない間にやるしかありません。
      「昇給させれば問題が解決する」というわけではないのです。国は保育士の養成や保育補助員の設置、子供の人数に対する保育士の定員を定めた「配置基準」の見直しを放置したまま、待機児童解消として保育所の大幅新設を実施しましたが、これによって、日本中の施設が保育士不足に陥って、保育士は疲れているのです。
       そしてまた、保育所の保育指針が改定されます。「保育指針」は、保育所などで子どもをみる保育士に、基本的な考え方を示したもので、今度の改定は「幼児教育」が付加された平成二一年に続くもので、これまで全ての年齢で共通した内容だったものを、0歳児・1~2歳児・3歳児以上の3段階に分けて保育内容を定め、0歳児と1~2歳児には少人数で落ち着いた環境を用意するなどの配慮が必要とされています。
       これは、近年、3歳未満の保育所の利用率が急激に上昇していることや、0歳から2歳の時期に子どもの発達が著しいことなどをうけたものですが、従来にも増して、保育所での幼児教育の重要性や食事が保育の重要な要素と位置づけられており、保育士の養成、資格取得がわずか2年の教育でできるはずはなく、実態を無視した受け入れの拡大は保育の質を奈落の底に落としてしまう危険性があります。

       そこで、お尋ねしますが、県内の保育の現状と保育士の充足状況について伺います。(健康福祉部長)
      今年度に内閣府の子ども、子育て本部から示された保育士の処遇改善は現場の実態と合わないとの声が強いものですが、その内容と問題点についてお示しください。(健康福祉部長)

       出雲市では、5つの保育所をグループ化し、土曜保育を1か所にまとめて実施することで、保育士の土曜勤務を減らし、結果として有給休暇の取得が増加するなど現場の多忙感解消に有効な対応をとったところがありますが、こうした方向を全県的に拡大するお考えはありませんか。(健康福祉部長)
  • 吉川敏彦健康福祉部長答弁

    • 保育士の待遇改善と保育の質確保について
    •  保育所等への入所児童数は年々増加しており、この10年で約4,000人、22%の増となっております。特に育休明けのゼロ歳から2歳児の入所希望が大きく増加しております。その要因としては、共働きの増加や子ども・子育て支援新制度により入所対象が拡大したことが考えられます。これに対し、市町村では保育所の定員増や施設整備など受け皿の拡大に取り組んでいますが、都市部ではニーズに追いついておらず、その結果、待機児童が発生する状況となっております。一方、保育の現場におきましては、ゼロ歳から2歳児の受け入れの増加や保育者の保育ニーズの多様化、事務作業の増加などから、保育士の労働環境はますます厳しくなりつつあります。
       保育士の充足状況でございますが、全県的に保育士の数は不足している実態にあります。県が昨年実施した保育所調査では、保育士の募集に対し実際に採用できた割合、これを充足率と捉えますと、これが74.9%で、3年前より10ポイント近く低下しており、年々確保が難しくなっております。
       保育士等の処遇改善につきましては、今年度より全ての職員に対する加算に加えまして、技能、経験を積んだ中間層の職員に対して月額4万円等の追加的な賃金改善が行われております。これらの処遇改善は職員の勤続年数や経験年数、中間層等のキャリアアップの取り組みに応じて人件費を加算するものであり、保育士の確保や離職防止につながるものとして期待されています。しかしながら、この技能、経験を積んだ職員に対する処遇改善につきましては、島根県では保育士の勤続年数が国の想定より長く、対象となる中堅職員が多いため、月額4万円を配分する職員の絞り込みが難しいこと、施設ごとの加算であり、複数施設を持つ同一法人であっても、法人内での融通ができないこと、至急の要件としてキャリアアップ研修が課されておりますが、研修の時間数が多く、対象者の受講が難しいことなど、制度が使いづらいといった声が寄せられております。県では、この6月の国への重点要望にあわせ、県内の保育士の勤続年数等の状況を詳しく説明し、このたびの処遇改善が使いやすい制度となるよう要望をしてきたところでございます。
       土曜日の共同保育の全県的な拡大についてでございますが、出雲市において行われている土曜日の共同保育は、利用の少ない土曜日に近隣の保育所が連携し、1カ所で共同保育を実施するもので、このような取り組みは昨年度から国において認められております。土曜日に共同保育を実施しますと、その日に勤務する保育士の数が少なくて済み、土曜出勤を減らすことができます。結果として、平日の勤務人数がふえることになるなど、保育士の負担軽減につながります。こうしたことから、勤務環境の改善に大変有効な取り組みだと考えております。既に取り組みをされているところでは、保育士が、休みやすくなったとの声もお聞きしております。県といたしましては、研修や会議の場でこの内容について事例紹介をするなど今後とも有効な取り組みとしてPRしていきたいと考えております。

 


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