• 「94万人の宿泊キャンセル」が意味するもの

    • 冬場を前にした北海道胆振地震による電力不足は深刻
    •  9月15日、北海道は北海道胆振地方を震源とする大規模地震で道内の旅館・ホテルなどの宿泊キャンセルが延べ94万2000人に達し、直接の影響額は117億2500万円で、飲食代や土産物代などを含めると約292億円と推計されると発表しました。北海道を訪れた昨年度の観光客は5610万人(宿泊数は1883万人)で、そのうち外国人観光客は279万人と言いますから、わずかの期間での5%減は大きな痛手です。また、客足の回復までには一定の時間を要すると考えられますが、冬場を前にした地震による電力不足が北海道の産業活動やライフスタイルに支障をきたす恐れは大きく、観光立国を宣し、外国人観光客4000万人誘客を掲げる政府の本気度が問われるところです。
       まもなく北海道は夜半の気温が氷点下となり、否応なく終日暖房が必要となる季節を迎えますが、経済産業省は十分な電力供給が難しく、全道で10%程度の節電が必要との見通しを示しており、凍結停止の恐れがある水力発電を顧慮すれば、住民生活への影響は避けられないと思われます。一方で、北海道胆振地方を震源とする地震に関連して記者会見した原子力規制委員会の更田豊志委員長は、北海道電力泊原発の審査について「欠けや見落としがないか改めて考えるべきで、やや慎重になるかもしれない」と話し、地震後の道内の停電や電力供給の不安定な状態について「発電所の安全性を確認する行為と電力の不足は別」として「審査を急ぐ考えはない」と述べたと報道されています。
       逼迫する電力需要を眼前にすれば、安全審査を急ぎ、問題が無ければ速やかに再稼働させるべきであり、(問題個所があれば改善を、稼働を認める状況になければ廃炉を勧告すべき)「慎重」と「時間をかける」を同義にする規制委員会の姿勢は不可思議です。足許に発電施設を有しながら、いつ終わるとも知れない安全審査を理由にした施設の塩漬けが続く状況こそ滑稽で、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けながら、原発の運転に対して及び腰の姿勢を続ける政府の姿勢は疑問です。東日本大震災以降、海外からの化石燃料依存によって大きく国富が喪失する現状をどう改善するのか道筋すら示さないのは責任放棄の誹りを免れず、政府は、早急に原発の存置、運転、事故時の対応を地方自治体に負わせている現状を改め、『国の責任』で原発政策にあたるべきだと思います。
    • 掲載日: 2018年9月16日

 



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