• 検査体制の確立を急ぐべき

    • 観光や飲食などの消費需要回復には『安心』が必要
    •  新型コロナウイルス感染症の新規感染者数を表すグラフを見ると、3月下旬から急上昇し、4月中旬をピークに下降し、5月中旬から6月中旬までが小康状態、しかし、6月下旬から再び上昇に転じ、7月中旬から急上昇を見せています。政府が感染の多い7都府県に対し新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言を発出した4月7日の新規感染者数は368人ですが、4月11日の720人をピークに下降し、5月の連休明けの感染者数は2桁になりました。一方、「経済を廻す」として、自粛の全面解除を行った6月19日の以降の新規感染者数は急増しており、7月16日には622人になっています。PCR検査の受検数が大幅に増加し、陽性率は4月の30%から現状は5~6%で、重症化や死亡に至るケースは多くないことから「大事無い」との判断も聞こえますが、グラフからは、行動抑制が感染防止に効果を上げたことが読み取れ、往来の解禁によって生じる感染者数の変動や感染地域の拡大に注視する必要があると考えます。
       自民党の観光立国調査会事務局次長の武井俊輔衆院議員は、さきのTV番組で観光業界の窮状を示した上で、「Go Toキャンペーン」の必要性を訴え、国土交通省は、感染者数が増加している東京都を除外して、7月22日から開始を決定しましたが、関東や近畿一円の新規感染者数は急増しており、現状では感染を全国に拡散させる可能性が否定できません。新型コロナ特措法では感染防止や疫学調査などの実施は都道府県知事の権限とされており、キャンペーンの実施を「時期尚早」とする知事意見が多い中での、言わば「見切り発車」は疑問で、一部の地域を除外した国のキャンペーンが公平性を欠くとする指摘も当然のことです。
       本来であれば、この時期、東京オリンピックの開幕であったはずですが、1年延期になったとは言え、新型コロナウイルス感染が収束する確たる見込みはなく、アメリカやブラジルでは感染者数が7桁になっている現状からは、適切な対応がなければ感染のリスクは増大し続けるように感じます。経済を廻すことや通常の社会を取り戻す方策は容易くできることではありませんが、感染していないことが確認できる方策があれば、一定の日常を過ごすことが可能であり、目先の消費対策よりも徹底した検査体制の確立が急務です。
       新型コロナウイルス感染の懸念から生じる消費減退や観光需要低下の回復には『安心』が必要で、コロナ後の新たなウイルス出現にも有効な手立てになります。10年前、新型インフルエンザの感染の折に検査体制の整備が課題とされながら、終息後に放置されて今日に至ったことは大いなる反省点で、政府は、コロナ対策を目先の対応策に終始する愚を繰り返してはなりません。
    • 掲載日: 2020年7月18日

 



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