• 衆院議員選挙区画定審議会の答申をうけて

    • 衆参を執る2院制の役割を顧慮した選挙制度の抜本改革を
    •  政府の衆院議員選挙区画定審議会は6月16日衆院小選挙区の新しい区割り案を岸田文雄首相に勧告しました。審議会から2020年の国勢調査の確定値に基づいて「一票の格差」を2倍未満に是正するとして示されたプランは、東京都の選挙区を5つ、神奈川県を2つ、千葉県と埼玉県、愛知県をそれぞれ1つ追加し、宮城県、福島県、新潟県、滋賀県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、長崎県はそれぞれ1つ減とする内容となっています。
       今回の変更によって、衆議院は選挙区選出289議席のうち首都圏の1都3県で89議席となり、比例区選出176議席では東京、北関東、南関東の3ブロック(1都7県)で61となる見込みで、人口集中地域である大都市部の議員が増加し、人口減少地域である地方議員は減少しますから「地方の声が国政に届きにくくなる」との声が高まるのは当然です。
       日本の国会は衆議院と参議院の2院制で成り立っていますが、選挙区選出議員の選出区分は衆参ともに都道府県単位で、比例は衆議院が地域ブロック、参議院が全国ブロックと、多少の違いはありますが、議員の選出方法はほとんど同じです。衆議院は、内閣総理大臣の選出と予算議決という任務があり、国政上の争点があるときには解散して国民に信を問うことができますから、国勢調査人口1億 2,622 万7千人を総定数465議席で割り、271,500人を1つの単位として市区町村で選挙区を設ければ、1票の格差はほとんど生じません。参議院は、日本の地方制度が都道府県を1つの単位として機能していることを顧慮すれば、人口の多寡に関係なく各都道府県代表と職能代表を全国から選出すれば、政治的なバックボーンが異なる分、多様な意見が国政に反映されると思います。
       日本国憲法の公布がされてから衆参の選挙制度は幾度となく変更されてきましたが、「1票の格差」を違憲とする最高裁の判断に「参議院の合区」や「10増10減」などの弥縫策で対処する国会のありようは党利党略や個利個略むき出しで、議員各位の矜持を疑うところであり、憲法改正を含めた本質的な議論を期待するところです。
       細田議長は、「地方の議席の減少を最大限抑制し、1票の格差を是正するだけなら『3増3減』で事足りる」と発言されて物議を醸しましたが、地方に住んでいる私たちにとって人口だけを単位にする現行の選挙制度が継続するのであれば、その影響を最小限に抑えるべきとの意見は当然だと考えますし、議員の大都市偏在という問題提起を批判するのであれば、現行制度の問題点を解決する抜本策の議論を深めていただきたいと思います。
       ともあれ、今回の区割り案では、全国289小選挙区で過去過去最大の規模となる25都道府県で140選挙区の区割りが変わることになり、秋に予定される臨時国会で、公職選挙法の改正案が審議されます。島根県では雲南市の旧飯石郡地域と飯南町が1区に出雲市の旧平田市地域が2区となります。
       小生の住む出雲市の平田地域は2002年の総選挙から島根1区となり、細田博之先生を輩出してきましたが、次回の総選挙から島根2区となり高見康裕先生を推戴することになります。平成の大合併によって、出雲市となっても衆議院の選挙区が異なり、「政治的に平田は別」とする風潮に多少の戸惑いが生じることもありましたが、一体性が保てるという見地からは歓迎すべきであり、永年、ご高誼をいただいてきた細田博之先生に感謝を申し上げたいと思います。
    • 掲載日: 2022年6月19日

 



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