令和2年2月定例県議会一問一答質問(3)

  • 里山の荒廃(奥山化)について

    •  石炭・石油、天然ガスなどの化石燃料によるエネルギー供給は、薪炭、水力などいわゆるバイオマスエネルギーの循環によるエネルギー供給の仕組みを変化させました。
      いま、地球温暖化による気候変動や大地震、ゲリラ豪雨などの事象は、災害や生態系の変化を想起させており、文明が地球環境を棄損させ、人類の生存を危機に追い込むに至って、少しずつ、「価値」に対する思考が変化しつつあります。

      森林は、人工林と天然林に分けられるが、その定義は。(農林水産部長)

      人工林は、「植えて、育てて、伐って、使って、また植える」という40~60年の循環利用を前提にしています。天然林の大半は、『原生林』とは異なる里山で、薪炭林や農用林として活用されてきましたが、エネルギー革命によって放置され、見通しの良い疎林は鬱蒼とした森に変わり、奥山化し、『人の領域から野生の領域となって生存を脅かす』状況になっています。

      山林の荒廃がもたらす懸念事項は何だとお考えになりますか。(農林水産部長)
      里山の奥山化は、クマ、サル、シカ、イノシシなどによる野生鳥獣の出没となり、現在の農林産物の被害は、年間300億円に上るとも言われています。
      人工林でのシカによる幼木の食害と成木の剥皮(角擦り)は林業サイクルを台無しにしますが、昨年の豚コレラの流行は野生のイノシシが媒介した可能性が強いとされ、いま世界中の脅威となっている新型コロナウイルスも野生鳥獣が媒介したものとされています。

      二宮尊徳は「『天道』と『人道』の調和」を説いていますが、その意味するところはどのようなものだと考えますか。(政策企画局長)

      森林環境税の導入は、人工林、天然林の区別なく、森林をきちんと管理をし、人工林は建築用材の供給を可能にする経済性を回復させ、天然林はバイオマスエネルギーや林産食料の供給の場として整備することを目的にしたもので、奥山化した里山に、もう一度手を入れることは、天道と人道を意識した、極めて時宜を得た所作であると言えます。

      森林環境譲与税の交付を受けて、令和2年度から県が推し進める新たな森林・林業施策の要諦と方向についてお聞かせください。(農林水産部長)
  • 野津建二政策企画局長答弁

    • 二宮尊徳の「天道と人道の調和」について
    •  二宮尊徳は、田畑が自然災害や耕作放棄によって荒れ地に帰した農村の再生、発展に生涯をささげた人物であります。何がそういった農村を立ち直らせたのかといえば、大変な努力をして荒地を切り開いた人間の力そのものであります。
       江戸時代後半、尊徳の時代は、人の道は天の道によって支配されている、したがって天が示している道に逆らって人は行動してはいけないという考え方が一般的でございました。尊徳も草木が成長し、やがて土に返るように、人も営々として働き、世代をつなげていくものと位置づけていたようであります。
       しかしながら、一方でみずからの幼少期の実体験もあり、自然の大きな力による荒廃を仕方がないものと諦めてはいけない、みずからの怠惰による荒廃を自然のせいにしてはいけない、人間はその力で自然を変えられると強く考えておりました。尊徳の考える天の道、人の道の調和とは、自然の流れに沿いながらも人間社会にとって有益なことは、自然に逆らってでも勤勉に頑張れば実現して生活を豊かにできるということであろうと思っております。
  • 鈴木大造農林水産部長答弁

    • 森林整備と森林環境税について
    • 一般的に人工林は人の手によって植栽された森林、天然林は種子の自然落下や雌株から芽吹くなど、自然の力により更新された森林と分類されております。
       山林の荒廃が進みますと、土壌の侵食や流出を防ぐ山地災害防止機能あるいは雨水を蓄える水源涵養機能、大気中の二酸化炭素を吸収する機能、こういったものが低下するとともに、野生動物などの生態系のバランスが崩れるということにもつながるというふうに考えております。
       また、木材等の生産機能が低下いたしますと、林業、木材産業等の生産活動にも悪影響を及ぼすものと考えております。
       来年度からの県の森林林業施策のポイントは、人工林、天然林、広葉樹にかかわらず、いかに順調に循環型林業を拡大させるかということに尽きまして、そのために最も効果が高いところから取り組んでまいります。
       大きな方向が2つございますが、1つは循環型林業の拡大の前提となります森林経営の収支の改善でありまして、生産コストの削減、そして高値で原木が取引される環境づくり、この両面で進めてまいります。そのため、これまでの取り組みについても適宜見直しまして、生産面では資源の充実したエリアにおいて集中的な路網の開設や高性能林業機械の導入、またこれまでも講じてまいりました原木の主伐支援は林業事業体にも販売面を意識していただく上で製材用原木、いわゆるA材の生産に支援の重点をシフトするとともに、川下側でも製材工場の新設、誘致や規模拡大を進めてまいります。
       また、2つ目の柱であります生産を支える林業就業者の確保につきましては、他産業でも人材不足が恒常化しておりますが、島根林業が3Kのイメージから脱却し、魅力ある職場環境づくりを進めていくということは非常に重要と考えておりまして、この分野は特に来年度から増額されます森林環境譲与税も積極的に活用してまいります。
       また、これまでの施策は県と業界が連携しながら推進してまいりましたが、今年度から新たな森林管理システムが開始され、森林林業振興における市町村の役割が明確化されたところでございます。市町村には森林環境譲与税という新たな財源もできましたので、そういったものも活用していただいて、森林管理システムの運営だけでなく、林業振興全般、例えば路網の整備や人材育成、そういったものにも積極的に取り組んでいただけるよう、働きかけを強めてまいります。
  • 鈴木大造農林水産部長答弁

    • 農林大学校の機能強化について
    • 来年度から定員拡大と機能強化を図る農林大学校につきましては、現在2次募集を行っているところですが、定員45人に対して入学者は昨年度より10人程度増えて、約40人が見込まれております。
       次に、自から農業経営を開始する認定新規就農者については、昨年度から7人増加し、今年度32人の確保を見込んでおります。新規就農者確保の取り組みは1年で完結するものではございませんで、就農相談から研修、就農のための準備等を経て、数年かけて収納にこぎつけるということでございますけれども、そうした中で今年度の就農相談は前年度より1割多い436件、就農相談バスツアーには昨年度の1.5倍に当たる40人が参加、就農に向けて現在市町村等で研修を行っている方は、昨年度より20人多く80人、また今年度から農業法人と連携して9名の方について雇用就農から自営就農への移行を支援しております。現時点で年間60人の認定新規就農者を確保するという目標には達しておりませんが、関連する多くの取り組みで前年度より大きく前進しており、来年度以降、より大きな成果が期待できると考えております。

 


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