令和2年6月定例県議会一般質問(4)

  • 宍道湖の水質対策について

    •  宍道湖と中海は島根県が全国に誇る汽水湖であり、水域の環境保全や水質管理は河川管理者である国土交通省とともに島根県が担うおおきな役割である。
      過去、長らく島根県議会議員をつとめられた浅野俊雄氏は閉鎖水域となる大型湖沼を有する都道府県議会議員と関係する選挙区から選出された国会議員に呼び掛け1984年7月に制定された湖沼水質保全特別措置法(湖沼法)の制定に大きな役割を果たされた。
      湖沼法は、汚濁の著しい湖沼および関係地域の重点的な水質改善をはかることを目的に水質汚濁防止法の特別法として制定され、1985年から施行となったが、霞ケ浦(茨城県)、手賀沼(千葉県)、印旛沼(千葉県)、琵琶湖(滋賀県)、こじまこ(岡山県)、宍道湖(島根県)、中海(島根県・鳥取県)、諏訪湖(長野県)、釜房ダム貯水池(宮城県)の9湖沼と周辺市町村が対象とされ、国は湖沼水質保全基本方針を閣議決定し、都道府県知事はその指定地域において湖沼の水質保全に関し実施すべき施策に関する湖沼水質保全計画を定めることとなり、工場・事業場に対するCOD(化学的酸素要求量)などの汚濁負荷量規制、魚類養殖用の網生け簀や畜舎などの構造・使途方法の規制、水質総量規制などが導入され、のちに野尻湖(長野県)と八郎潟(秋田県)を加えて指定湖沼は11とされて今日に至っている。
      水質汚濁防止法が取り締まり中心の規制行政で、また、湖沼の特殊性に十分配慮がされていなかったのに対して、湖沼法は新しく計画的手法を導入するとともに化学的酸素要求量(COD)の目標値を定めて水質保全を図ると規定され、1991年には窒素、リンについても水質目標値が設定された。
      また,施行後20年となる2005年には一層の水質改善を図る改正がされ、(1)湖沼に流入する汚濁負荷を削減するため、流出する汚濁負荷への対策が必要な農地・市街地等の地域を流出水対策地域に指定し、計画を策定、対策の実施を推進すること、(2)新増設の工場・事業場だけだった負荷量規制の対象を、既設事業場にも広げること、(3)水質浄化機能を確保するため特に保護が必要な地域(湖沼のヨシ原など)を湖沼環境保護地区に指定し、植物の採取等について届け出を義務づけること、などが付加され、下水道や農村集落排水事業の高度処理が推進されることとなった。
      昭和45年の過疎法制定に当時の匹見町の大谷武嘉町長と田部長右衛門知事が大きな役割を果たされ、現在までこの法律の改正や運用に島根県が大きな影響力を有してきている。
      湖沼法も同じで、永年をかけて培った島根県の政治的なレガシーであり、それを支えたのが宍道湖水質汚濁防止協議会(宍道湖水濁協)と中海水質汚濁防止協議会(中海水濁協)で、中海水濁協は鳥取県と共同設置をして、所要の活動がされてきたが、両者の設立の経緯と活動の実績、評価を問う。(環境生活部長)

      ところが、宍道湖水濁協の活動は昨年から中断され、仄聞するところでは昨年8月に解散され、協議会の会計に繰越金として処理されていた金銭は構成市町である奥出雲町、雲南市、松江市、出雲市に返還されたとのことで、驚きを禁じ得ない。通常、こうした組織を閉じるのであれば、会則に基づいて構成員が集まり、解散を決議した上で、財産処分を行うのが当然だが、正規の手続きは一切行われておらず、いったい何処で、誰が、何の目的でこうした判断(行為)をされたのかを明らかにされたい。(環境生活部長)

      残念ながら、宍道湖、中海ともに水質目標値として掲げるCOD、窒素、リンの値はクリアーされていないと承知しているが、現状はどうか。(環境生活部長)
      近年、問題になってきている水草の処理についても関係市町と協調して国土交通省や農林水産省に所要の予算確保や有効な対策の実施を要請する必要があり、鳥取県の関係者からは、中海水濁協と宍道湖水濁協を統合して活動を継続してほしいとの要請を聞いているがどう対処するか。(環境生活部長)

      鴨長明の『方丈記』に
      として、人の世の無常と物欲の愚かさを説いている。
      人間は必ず亡くなるが、亡くなったらまた代わりの人がその役割を果たすものである。人とのつながりや縁には形はなく、家屋やお金のように目に見えないが、無形の資産であり、つなげていくことによって人間社会ではカネやモノよりも大きな力を発揮することを小生は齢63年の中で知った。土地改良や道路整備などについても人脈が引き継がれているが、島根県が有する政治的なレガシーを大切にすることはとても大切なことであり、無形の財産を失うことのないよう配慮したいものだが、知事を支える立場にあるものとしてどのようにしていくか。(副知事)


  • 松尾紳次副知事答弁

    • 政治的なレガシーの継承にについて
    •  湖沼水質保全特別措置法の制定によりまして、県を代表する資源である宍道湖・中海の水質保全対策が進み、そして過疎地域自立促進特別措置法においては、さまざまな施策の実施により、中山間地域の生活が守られてまいりました。これは、県議会を始め国の省庁、同じ課題を抱える市町村や他の都道府県、関係する団体などが、組織同士、また人間同士のつながり、縁の中でつくり上げてこられたものであり、まさに政治的レガシーと言えるものであります。
       そして同時に、このレガシーは島根の誇りであり、私は、この誇りはふるさとを思う島根の愛着にもつながっていくものと思っております。世の中や人々が移り変わっていく中にありましても、こうした大切な財産はしっかりと後世につなぎ残していくことを常に心にとめながら、宍道湖の水質や景観を守り、また中山間地域での住民の皆様の営みをしっかりと守っていかなければならないと考えております。
  • 竹内俊勝環境生活部長答弁

    • 宍道湖、中海の水質目標値の達成状況について
    •  宍道湖・中海とも、湖沼水質保全計画に水質目標を掲げ、国、流域市町とともに各種水質保全対策を推進しています。第6期の計画の最終年であります平成30年度において、宍道湖については、窒素は目標値を達成したものの、COD、リンは未達成であり、中海については、CODは達成したものの、窒素、リンは達成できていません。
  • 竹内俊勝環境生活部長答弁

    • 宍道湖、中海水濁協の設立経緯と活動実績および評価について

    •  中海水濁協につきましては、昭和51年2月、中海干拓事業が行われる中、水質汚濁防止対策を促進するために設置されました。また、宍道湖水濁協につきましては、平成6年6月、ヘドロのしゅんせつなど水質汚濁防止対策を促進するために設置されました。どちらの協議会も、昨年4月に引退された浅野前議員の強いリーダーシップのもと、島根・鳥取両県議会議員と流域の自治体で構成し、鳥取・島根両県で一体的に国への要望活動などを実施してきました。
       このような要望活動の成果もあって、議員御指摘のように、昭和59年には湖沼法が制定され、平成元年に、中海・宍道湖が湖沼法に基づく指定湖沼となり、また汚水処理施設の整備に係る制度拡充などが図られてきました。また、流域の小中学生が、湖に流れ込む身近な河川の水質を調べる活動を通して環境の保全について学ぶ、みんなで調べる流入河川調査を創設されるなど、水濁協が宍道湖・中海の水質保全に果たしてきた役割は大きかったと評価しています。
  • 竹内俊勝環境生活部長答弁

    • 宍道湖、中海水濁協の活動中断について
    •  昨年4月の県議会の改選後、県議会において議連などの見直しが検討され、宍道湖・中海の両協議会とも廃止するという判断が示されました。その判断を踏まえ、中海の協議会について、鳥取県議会に両県執行部で説明を行いましたが、廃止ということには難色を示されました。
       その後、鳥取県側の意向を踏まえ、再検討した結果、両方の協議会とも休止という方向で調整を進めることになりました。休止に当たり、宍道湖の協議会については、県と関係市町で負担金を拠出して運営していたため、執行部において、各市町に状況を説明し、理解を得た上で、残額につきましては関係市町と協議し、出資割合に応じて負担金の返還を行ったところであります。
      今後については、中海、宍道湖両協議会とも、県議会議員が中心となった構成での取り組みであり、両協議会を統合して活動を継続するには、まずは島根県議会の御意向を伺った上で対応していくことが必要ではないかと考えています。
       なお、水草の処理につきましては、県の重点要望や他県と連携した要望活動において、国への働きかけを行っているところであります。

 


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