令和2年6月定例県議会一般質問(1)

  • 新型コロナウィルス感染防止の新しい生活様式について

    • 国会は明日会期末を迎えます。
      召集日の1月20日の新聞には、「第201通常国会で政府・与党は、財政の持続性確保のための全世代型社会保障改革の推進に関わる取り組みを進めたいとしていましたが、「対岸の火事」的な状況がダイヤモンドプリンセスのクラスター発生で一変し、短期間に、日本のみならず世界中で社会・経済の状況がここまで変化することは、まさに想定外のことでした。

      あまり大きくは報道されていませんが、政府の専門家会合では、日本における新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の流行の第1波は、武漢型で1月に中国からの旅行者や帰国者を介して日本に侵入し、3月に日本全国で多数の感染集団(クラスター)を発生させ、その後は消滅に向かったとし、現在は、第2波となる欧州型が3月11日から3月23日までの間に欧米からの旅行者や帰国者によって国内に持ち込まれたものと推定されており、積極的疫学調査による感染の発生源と濃厚接触者の特定が功を奏し、武漢型ウイルスの封じ込めには成功したものの、3月下旬から4月中旬にかけて欧州型ウイルスの輸入および国内での拡散を許した要因は「行動制限の不十分さにある」と強く示唆されると結論づけています。

      日本国憲法は、第11条で「基本的人権の保障」、第12条で「自由及び権利の濫用禁止」、第13条で「個人の尊厳と生命、自由及び幸福追求の権利の保障」が規定され、第17条で「公務員の不法行為の禁止」、第22条で「居住、移転及び職業選択の自由」、第25条で「社会保障と公衆衛生の向上・増進」、第31条で「人身の自由に対する基本原則」が定められています。
      国会の議論や感染症法、新型コロナ特措法の規定からすると、憲法に定める「公共の福祉」よりも個人の人権尊重が重要視され、新型コロナウイルス感染症にかかわる疫学調査や隔離、移動制限に公権力の行使が抑制され、国民の自由・意思が尊重される内容になっています。

      政府は新型コロナウイルス感染症に関わる行為制限について、法律に禁止、制限条項を設けて損失保障するのではなく、あくまで自由意思による「自粛」を求め、融資や需要の喚起対策など間接的な支援を講ずる方針を示してきましたが、想定外の国家の非常時に、国の果たすべき役割を自己責任として市民に押しつけた結果が、次から次に支援を求める声に抗しきれず、赤字国債を財源にした度重なる補正予算の編成となっていることは極めて残念で、国会の議論では野党が法律による規制を主張し、政府が規制に消極的という構図は不思議にさえ映ります。

      日本国内の新型コロナウイルス感染にかかる緊急事態宣言は解除されましたが、有効なワクチンや治療薬ができるまでは、引き続き感染防止に取り組む必要があり、医療提供体制や検査体制の拡充が必要であることは論を俟たないところであり、島根県でも検査体制の強化などが予算計上されています。
      国は、感染拡大による医療崩壊を防ぎ、社会・経済を維持するために、専門家会議からの提言を踏まえて「新しい生活様式の実践」を呼びかけ、基本的感染対策として身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いの3つの基本を掲げ、働き方や外出、移動、面会、在宅での注意事項まで具体的な例を掲げ、移動や行動の自粛を解除しましたが、新型コロナウイルス感染症が収束に向かっているわけではありません。
      国内では、昨日、新たに76人の感染が確認され、861人が患者として治療中です。WHOによると、世界では、新たに137,526人が感染し、累計感染者数は7,690,708人に達し、現在、390万人余の患者が確認されています。1日の死亡者数は4,281人、死者の累計は427,630人と報告されています。

      「自粛から自衛へ」との見出しが躍りますが、移動制限の解除や接待を伴う飲食店、ライブハウスなどの営業、野球やサッカーなどプロスポーツをはじめスポーツイベントなどの開催まで、短兵急な自粛解除が東京五輪、パラリンピックの開催に向けた期待の高まりになって海外渡航が解除された刹那、アメリカや南米由来の第3波襲来は確実な情勢です。
      2月27日の首相記者会見から約100日の自粛要請でさえ、息絶え絶えの社会状況となりましたが、これから最低でも1年以上の時間を要すると見込まれるワクチン、特効薬の開発または6割以上の抗体所持の日まで、自衛で社会や経済を正常に保つことができるのか心配です。
      これから梅雨の時期を迎え、空ければ水銀柱が跳ね上がる猛暑の時期が到来します。住まいはかつての田の字型から機密性の高い家屋に変わり、勤務場所の多くは鉄筋コンクリートのビルになりました。窓を開けて夏、冬が過ごせるとは思えませんし、防虫防鼠や防犯の懸念もあります。マスクの着用や手洗いの励行はともかく、新しい生活様式は、田舎で生活する人にとってコロナ感染よりも地域のコミュニティや人間関係を崩壊させるリスクが大きいと考えるのですが知事はどう考えますか。(知事)

      日本は感染症法が施行される平成11年4月まで、伝染病予防法に規定された市町村などでつくる衛生組合の隔離施設がありました。つい、先年までのことです。法定伝染病に指定された感染症に罹患した人を基本的に隔離して拡大を抑制する手法は、医療技術の進歩と医薬品の開発によって大きく変更されました。新型コロナウイルス感染症の予防に有効なワクチンや治療に有効な特効薬がない現状は1世紀前のスペイン風邪が流行した時期とさして変わらない状況です。
      ウイルス感染者を隔離し、自己免疫で体内のウイルスが消滅するまで経過観察するのが基本で、免疫力がウイルスの増殖を抑制できずに重篤な状況に陥った場合には、人口呼吸器や人工心肺など先進医療機器を用いた延命処置がされますが、ウイルスを撃退する薬効のある薬剤が開発されるまでの間、基本、自己免疫の力でウイルスに打ち克つしか生還の途はありません。

      困ったときは歴史に学べと言いますが、当面は、罹患者を隔離する従前の方法に還えることであり、第3波に対応するためには、一定の隔離施設を準備する必要があります。ワクチン、特効薬の開発までの期間、県や市町村が有する宿泊施設や研修施設、保養施設、合宿所などを当面の隔離施設に指定しておき、必要に応じて活用することを検討してはいかがでしょうか。(知事)

      活用可能とする施設の改修や近隣住民への協力依頼などに一定の時間を要するとしても、重篤者は感染病床のある病院、軽症者は公的施設1、無症状または擬陽性者は公的施設2または自宅待機などを徹底し、現在の徹底した疫学的手法で感染拡大を防止すれば、平穏な暮らしが継続できると思います。

  • 丸山達也知事答弁

    • 新しい生活様式について
    •  地域での助け合いや人と人とのきずなが残る島根の豊かな暮らしのベースとなっております地域コミュニティーを大切にしていかなければならないという認識は、議員と共通でございます。
       一方、新型コロナウイルス感染症の致死率、また肺炎に至る割合というのは、季節性のインフルエンザに比べますと相当高く、特に高齢者や基礎疾患を有しておられる方々が重症化するリスクが高いとされております。そのため、どうしても感染症拡大の予防に十分な配慮をしなければ、御自宅を出ていただいて地域で活動していただくということも難しい状況にあるというふうに認識をいたしております。
       議員御指摘のとおり、新しい生活様式というのは、これまでよりも相当窮屈なものになってまいりますけれども、今申し上げました新型コロナウイルス感染症の症状といいますか特性を踏まえますと、当分の間は、感染拡大に留意して地域での会合や行事などの社会生活を営んでいただく必要があるというふうに考えておるところでございます。
  • 丸山達也知事答弁

    • 公的施設の隔離施設活用について
    •  旧伝染病予防法では、伝染病患者を隔離病舎に隔離することによって伝染病の蔓延防止を図るとされておりました。これに対し、現行の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律におきましては、患者に対しまして良質かつ適切な医療を提供する視点から、蔓延防止対策をとった上で、一般病棟において入院治療を行うこととなっております。
       今回の新型コロナウイルス感染症への対応におきましても、一般病棟内の感染症病床30床に加えまして、協力病床の受け入れ病床と合わせて合計253の病床を確保し、入院医療体制を確保しているところであります。
       一方で、軽症の方や無症状の方につきましては、重症者への入院医療への支障を来すことがないように、必要なときに療養できる専用の宿泊施設を確保しておくことが重要であります。現在、松江市の民間ホテルを借り上げ、45施設を確保いたしておりますが、このほかにも、公的な施設を含めて宿泊療養施設を追加して確保することが望ましいと考えております。
       今後、県内の公的な施設について、どの程度の部屋数が必要なのか、区域を分けた運用が可能か、医師、看護師が確保できるかなどについて検討いたしまして、宿泊療養できる公的施設の確保に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 


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