令和3年6月議会一般質問(4)

  • 子育て支援について

    •  はじめに、子育て世代の所得水準についてお尋ねします。
       県内の子育て世代(20才~40才)の所得水準と東京都、全国平均の数値についてお示しください。

       次に、持ち家比率とローン残高の推移についてであります。
       県内および東京都、全国平均の3Dkの借家賃の水準および持ち家比率と住宅ローン残高をお示し下さい。確か、島根県の持ち家比率は最上位にありますが、3世代同居が他地域よりも高いこともあって、住宅ローン残高は少ないと感じます。ただ、実際は都市部に比べて公共交通機関の整備が脆弱なため、自動車の所有比率が高く、指標には出ていない自動車ローンの残高が居住コストになっているのではと思います。

       次に、保育所・子ども園・幼稚園および放課後児童クラブの入所状況についてお尋ねします。
       本年4月1日現在の県内の保育園、子ども園、幼稚園および放課後児童クラブの利用定員と利用児童数をお聞かせください。

       次に、子が親(保護者)と過ごす時間についてお尋ねします。
       従来、本県は3世代同居が多く、子どもが家庭で親を含めた保護者と過ごす時間は多かったと思いますが、昭和30年から60年を経過し、30%超える人口減少が生じながら、今なお世帯数の増加があることを考慮すると、核家族化は都市部よりもむしろ島根県の方が加速しているのではないかと考えると、都市部よりも島根県の方が子供が家庭で過ごす時間が少ないのではないかと思うのです。こうした観点からは、保育所や放課後児童クラブの待機児童解消や開設時間延長は限られた財源の中で執りうる子育て支援策としてはベストではないにしろニーズに合ったものと言えるでしょう。そこで、県内の子育て世代の保護者が家庭で子と過ごす時間を東京都と全国平均の数値を合わせてお尋ねします。

       次に、コロナ禍がもたらす子どもへの影響回避についてであります。
       京都大学の明和教授は新生児期から乳幼児期のスキンシップの時間がヒトの発達に決定的な影響をもたらす(不足が障がいの素因となる可能性あり)とし、コロナ禍でのマスク生活やソーシャルディスタンスの確保は、ヒトの進化や生存に反するものと述べています。つまり、政府が提唱する「新しい生活様式」は必ずしも子どもにとって良いものではなく、子どもが多くの時間を過ごす場所、例えば、家庭や保育施設、学校などで安全に安心して過ごせる環境をつくらなければならないと考えます。医療機関や介護施設に比較して国の支援は不十分であると言わざるを得ず、ワクチンの優先接種に明らかですが、子どもが過ごす施設の安全と保育職や教育職の健康管理を図ることについて所見を伺います。

       最後に、もっとも望ましい島根の子育て支援の姿についてお尋ねします。
       県は、県内女性の有業率が高いことを考慮し、保育所や放課後児童クラブの充実を子育て支援施策の最優先課題としてきました。しかし、有業率の高さは、県内の所得水準が低く、子育て世代の女性が経済的な理由で家庭での子育てを選択できない側面があるのではないかと想像しています。
       核家族によって世帯分離した若年世代が、超低金利の住宅ローンによって松江や出雲の近郊に家を持つ傾向は極めて顕著で、住宅ローンや自動車ローン返済のためにフルタイムでの就労形態とならざるを得ない事情があると考えるのです。
      自然環境に恵まれ、優しい地域社会が存置する島根で職を得て定住し、子を生す子育て世代が、家庭で十分な育児時間を確保し、子と触れ合う時間を増加させるためには、保育所や放課後児童クラブの開設時間を長時間とするよりも、フルタイムでの所得水準を保障した上で、職場での就業時間を短時間化することが必要ではないかと思うのです。
       給与水準が他の地域よりも低い島根県の状況を逆手にとって、短時間となる勤務者の代替職員の給与費を企業に支援し、0歳から小学校卒業までの子育てをする父または母が1日2時間の時短勤務を可能とする子育て支援を試行してはどうかと考えるのです。
      仮に0歳から12歳までの子どもは約65,000人で、約35,000世帯、1時間当たりの労務単価を1,500円、1カ月当たりの勤務日数を21日と仮定すると、月に22億円程度が必要で、国に地方創生の交付金を申請してはいかがかと考えます。
       国は『子ども庁』の設置を計画する一方で75才の医療負担を引き上げるなど、永年、高齢者に偏った給付を次世代支援に舵を切る方向を明確にしてきました。しかし、現状は保育の無償化によって若干、高齢者と子供の給付格差が縮まったとは言え、依然次世代支援は高齢者の2割にも満たない水準です。是非、子育て支援を人口減少対策の1丁目1番地に据え、若年世代の受け入れを志向する島根県から国に対して、次世代支援に関わる政策提案を突き付け、地方創生・島根創生を実現するために必要な財源の配分をうけて、島根で暮らし子育てする世代が、ベストな子育て支援が受けられるように願って、質問を終わります。

  • 丸山達也知事答弁

    • 子育て世代の在宅時間の確保について
    •  子育てをされるお父さん、またお母さんが、給料を維持したまま1日2時間労働時間を短縮する勤務を可能とする、そのために代替職員の給与費を企業に支援する事業の試行をしてはどうかといった御提案についての見解であります。
       議員の御提案は、子育て世代のお父さんお母さん方が給料の額を維持したまま、1日2時間の勤務時間を短縮し、行政が代替職員の給料に補填することで労働力を埋めるといった仕組みであります。
       議員の御提案の中にもございましたとおり、できるだけ親御さんと子どもさんが一緒にいる時間を確保するという形での目指すべき子育ての一つの形だというふうに受け止めております。しかしながら、この御提案を具体的に実施すると考えた場合に、給与水準が他地域よりも低い島根県におきましても、単純な試算をいたしますと、12歳未満の子どもさんがいる世帯で共働き世帯と、就業している独り親の世帯の合計が、県内で約3万1,000世帯でございます。そして、1時間当たりの労務単価を便宜的に正規とパートの平均の1,600円と仮定いたしまして、2時間の勤務時間を短縮する日を年間240時間と仮定しまして、その給与費相当を計算いたしますと、1人当たり年間77万円程度となり、3万1,000世帯の合計では年間238億円が必要と推計されます。
       議員からもお話がございましたとおり、こういった施策を実現いたしますと、政府に対してこういった規模の財源を求めていく必要があるというふうに考えておりますけれども、全体として考えますと、島根県だけにこの制度を適用してもらうというわけにはいきません。恐らく全体の制度としてそういう、島根県がよく言われます1%のシェアだと仮に考えますと、これが全国では2兆4,000億円ぐらいの財源を振り向けた施策として採用してもらえるかどうかということになろうかと思いますし、また既存の施策との兼ね合いで、より優先すべき施策があると判断されると、実現は難しいというふうに考えているところでございます。
       県といたしましては、現実的な対応として、今、残念ながら島根県、政府がどれだけ人口減少に熱心に取り組んでいただいているかという観点で申し上げますと、本当に一生懸命であれば、出生率の高い地域に対してもっと手厚い支援をされるべき、されておかしくないと思いますが、決して出生率が高いから低いからといって、特段、措置が手厚いわけではございません。沖縄県、島根県、宮崎県、大体常にベストスリーに入っておりますけれども、そういった措置が特段あるわけではなく、そういった東京に若い世代を置いていくということが人口減少の一番の要因であるという認識に立って、島根のような出生率の高い地域に対してこういった特別な制度を取ってくれるということが実現すればありがたいわけでございますけども、今のところはその兆しが見えませんので、なかなか高い壁ではないかというふうに受け止めておるところでございますが、全国的にやられるとすると相当の金額になる。試行的に出生率の高いところでやってもらえるかどうかというふうなチャレンジをしていくべきかどうかということになろうかと思いますけども、当面は、子育てに負担感や不安を抱えておられます子育て世代に対しまして、それぞれの事情に対応できる働きやすい職場環境の整備を進めていきたいと考えておりまして、時間単位の年次有給休暇の取得、また育児短時間勤務の導入を促進するなど、また実際の使っていただくサービスとして保育所や放課後児童クラブの充実といったことに対応していきたいというふうに考えているところでございます。

  • 野津建二政策企画局長答弁

    • 子育て世代の所得水準などについて
    •  子どもの有無で区分けした統計資料がございませんので、最も近いケースでお答えさせていただきます。
       2019年全国家計構造調査によりますと、2人以上の世帯かつ勤労者世帯における1世帯当たりの年間収入は、世帯主が30歳未満の場合、島根県は507万円、東京都は661万円、全国平均は548万円、世帯主が30歳から39歳の場合、同様に、604万円、899万円、672万円となっております。いずれの場合におきましても、島根県は東京都及び全国平均と比較して低い状況になっております。
       家賃の水準及び持家比率と住宅ローン残高の推移については、3DKの家賃の水準につきましては、3DKを31畳程度として前提に対しまして、住宅・土地統計調査によりますと、30畳以上の区分で住宅1か月当たりの家賃と1か月当たり共益費、管理費の合計額でお示ししますと、島根県は、平成20年は5万3,000円、25年は4万6,000円、30年は5万4,000円、同様に東京都は、15万9,000円、15万3,000円、14万6,000円、全国平均は、8万4,000円、8万5,000円、8万6,000円となっております。島根県は、東京都や全国平均と比較して低い家賃水準となっており、その額の推移は、これは年によってばらつきがございます。
       持家比率につきましては、同じく住宅・土地統計調査によりますと、島根県は、平成20年は73.0%、25年は71.8%、30年は70.2%、同様に東京都は、44.6%、45.8%、45.0%、全国平均は、61.1%、61.7%、61.2%となっております。島根県は、東京都や全国平均と比較して高い割合となっており、その割合は低下しつつあります。
       住宅ローン残高につきましては、2019年全国家計構造調査及び平成26年消費実態調査遡及集計によりますと、2人以上の世帯かつ勤労者世帯のうち住宅ローン残高のある世帯の、住宅、土地のための負債を比較いたしますと、島根県は、平成26年は1,267万円、令和元年は1,387万円、同様に東京都は、2,271万円、2,253万円、全国平均は、1,613万円、1,746万円となっており、島根県は、東京都や全国平均と比較しまして低い額となっております。
  • 野津建二政策企画局長答弁 

    • 子育て世代の保護者が家庭で子どもと過ごす時間について
    •  保護者が家庭で子どもと過ごす時間についての直接的な統計資料はございませんが、平成28年社会生活基本調査によりますと、子育て期の夫婦の世帯が平日の一日のうち睡眠時間や仕事時間などを除いた時間を全て子どもと過ごすことのできる時間と仮定いたしますと、一番下の子どもが就学前の世帯では、島根県は477分、東京都は487分、全国平均は511分、一番下の子どもが小学生の世帯では、同様に、418分、482人、473分となっております。いずれの場合におきましても、島根県は、東京都、全国平均と比較しまして短い状況となっております。
       本調査では、共働き世帯と夫婦一方が働いている世帯の区分けができませんが、共働き世帯の割合が高い島根県では、両親とも働いていて家に誰もいない時間が長いことが一つの理由と推察されます。全国におきましても、共働き世帯の割合が高い都道府県では同様に短く、割合が高い都道府県では長い傾向が見られます。
  • 小村浩二健康福祉部長答弁

    • 県内の保育所等の利用状況と子育ての環境づくりについて
    •  保育所及びこども園については、本年4月1日現在、幼稚園及び放課後児童クラブは5月1日現在の利用定員と利用児童数をお答えをいたします。
       保育所については、利用定員1万8,600人、利用児童数1万7,083人です。こども園については、利用定員5,794人、利用児童数4,600人です。幼稚園については、利用定員5,949人、利用児童数2,403人です。放課後児童クラブについては、利用定員1万467人、登録児童数9,300人です。
       コロナ禍における子どもの成長のための環境づくりについては、議員御指摘のとおり、新生児期から乳幼児期におけるスキンシップなどの人との関わり合いが生涯にわたる人間形成に大きな影響を与えることが、近年の研究等で明らかになってきております。コロナ禍におけるマスクの着用やソーシャルディスタンスの確保などが求められる場面において、表情が見えない、スキンシップが難しいなど、子どもへの影響が懸念されているところであります。
       このため、子どもの成長過程に応じたスキンシップ等の重要性について理解し、その上で、子どもの成長のために工夫した環境づくりが進むよう、市町村等と協力して、家族への啓発や、保育施設、学校等への研修などに取り組んでまいります。

 


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