令和3年6月議会一般質問(3)

  • 農林水産業の再生産可能な採算確保について

    •  3項目めは、再生産可能な農林水産業の採算性の確保についてであります。
       初めに、コメの需給見通しと2021米穀年度の価格見込みについてお尋ねします。
       昨日の同僚議員の質疑に一部重複しますが、お許しいただきたいと思います。まず、2020米穀年度のコメ価格と在庫の状況および2021米穀年度の状況をお尋ねします。

       次に、農業収入保険の課題と問題点についてお尋ねします。
       農業共済制度から収入保険制度に変わりましたが、新規就業者が対象とならなかったり、赤字の経営体には加入のメリットが少ないなど問題点が生じていると思います。1年を経過して、県内の加入状況と問題点をどのように把握しているのかお尋ねします。

       3点目は、コメから水田園芸への誘導と適地・適作の推進についてです。
       県が奨励する6品目の作物に対する手厚い支援は了としますが、全県的に6品目に限ることには異論が強いように感じます。認定農業者や法人の中には他の品目で栽培技術を確立し、相当な実績を上げ、後継者を育てたいとする者もあります。当初の品目指定の折に事情に応じて変更も考慮するとの答弁をいただいておりますが、6品目を地域別指定とするなど、弾力的に適用する必要があると考えますがいかがでしょうか。

       次に、木材価格の動向についてです。
       船舶代金の高騰によって、輸入木材の値上がりをしていますが、木材価格の動向をお尋ねします。国産材と輸入材の代表的な材種1㎥あたりの価格動向(推移)についてお示しください。

       次に、林業の生産性向上と採算確保についてです。
       県では、1haあたり9,000本の造林から6,000、4,000、2,000など各地で試行的な新植が実施されていますが、林野庁は、速成樹木品種の開発などによって10aあたり15万円程度の生産コストに抑制する方針を示し、路網の整備と大型林業機械の導入で生産性を劇的に向上させ、もうかる林業経営が可能としています。こうした取り組みを実証するため、県内でモデル団地を構築する考えはありませんか。

       次に、海面漁業の漁獲状況(今季)と市況について伺います。
       海面漁業は水揚げ、販売額ともに低落しております。先月、『週刊漫画ゴラク』に連載されている『江戸前の旬』に浜田のどんちっちアジが紹介されましたが、現在、浜田の大中型巻き網船団は1船団で、事故後に1船団が休漁している状況が続いており心配しています。県内の基幹漁業となる巻き網、底引き、定置、一本釣り漁業の漁獲、販売金額の推移と今季の状況についてお尋ねします。

       次に、内水面漁業の状況についてお尋ねします。
       宍道湖のシジミは漁獲調整、資源保護の取り組みもあって、近年、比較的順調に推移しているように感じますが、県内の内水面漁業の漁獲、販売金額の推移と今季の状況についてお聞かせください。

       次にJFしまねについてお尋ねします。
       昨日、JFしまねについて、県の指導監督を強化するよう指摘がありました。小生は、この議場に在籍する議員の中でわずか2人しかいない組合員(准組合員)であり、ご指摘を厳しく受け止めております。農協、漁協、森林組合などはともに構成員となる組合員の所得向上や経済活動の発展を目的にしております。JFしまねについては、業務決裁の遅延や法令違反などガバナンス上の問題が生じており、すでに、知事から業務改善命令が発出されております。
       理事者は、適切な業務改善計画の策定とコンプライアンスの徹底を図り、速やかに知事への改善報告をすると同時に、組合員に対して、責任の所在を明らかにする必要がありますが、残念ながら、組合員に対して報道以上の説明はされておらず、今日まで、ただ一人の組織の最高執行権者として君臨してきた代表理事が経営責任を取るべきとする意見に反対する理由はありません。
       小生は、昨年の夏に、地域の運営委員長を務める理事を通じて、「臨時総代会を招集し、代表理事を複数にすることや常勤役員を増員し、目に見える形で内部統制を強化してはどうか」と意見具申を行いましたが、「任期中途での体制強化の考えはない」との意向をお聞きし、改選の折に、組合員から何らかのアクションが起こるだろうと予測しておりました。
       仄聞するところでは、役員改選の推薦手続きに事務処理上の不備があり、諮問が差戻しとなるとのことですが、裏を返せば、業務執行を補佐する事務部局のミスから生じたもので、結論が変わるとは考え難いことから、組合員から発した不信任の声に耳を傾け、ここは、会長に大所高所から組合の行く末を見据えて、ご退任いただき、話し合いの上で円満に次期役員が選考されることを組合員の1人として願っております。
       漁村に住み、魚の仲買資格を有する小生としては、JFしまねが風通しの良い組織に生まれ変わり、低迷している漁業者の所得向上や海面漁業の発展にリーダーシップを発揮することを願うものですが、知事は、JFしまねの新しい執行体制について何を望まれるのかお尋ねします。

       最後に、再生産可能な採算確保に必要な視点について伺います。
       中山間地域が90%を占めるわが県で地域を守っていくためには、農林水産業を再生産可能な一定の水準で採算を確保し、持続的に取り組むことができる施策の展開が不可欠です。現行の農業の収入保険や林業の分収造林、漁業の積み立てプラス(漁業共済)などのセーフティネットを地域に合ったかたちで拡充することで、安心して地域で生産活動に打ち込めるのではないかと思うのです。必要とあれば、国に新規就農者のルールや収入保険の算定基準を地域別の再生可能なコストに見直しを要請することはもとより、イニシャルコストの軽減に力点が偏っている現行の支援制度に所得補償を充実させるなどの方策をお考えになってはと思いますが、地域の農林水産業の採算確保にどのような視点が必要とお考えになりますか。

  • 丸山達也知事答弁

    • 農林水産業に関する支援について
    •  県では、農林水産業が持続的に安定経営できるように、水田園芸の導入、機械化、基盤整備の推進、また林業におけます機械化、路網整備、沿岸自営漁業における効率的漁法の導入など、生産性や収益性を高めるための必要な支援を行っているところでございます。また、経営のリスク等に対応して、国の制度等によりまして、農業分野では、農業の収入減少を補填する農業収入保険、また米価下落に対応した収入減少影響緩和対策、いわゆるならし対策、そして気象災害などによる収入減少を補填する農業共済、また肉用牛、肥育牛の販売価格と生産コストの差を補填する肉用牛肥育育成安定特別対策事業、いわゆるマルキンといった事業、また漁業分野では、漁獲金額の減収を補填する漁業収入安定対策など、様々な制度が設けられているところでございます。これらの制度を経営の状況に合わせて選択、組み合わせていただいて、有効に活用していただくことが、安定経営のために重要であるというふうに考えておるところでございます。
       これらの保険料については、掛金については、国費も投入されておりますので、その分、有利な制度となっておりますので、こういったものを活用しながら、その制度上の課題がある場合には、県としても改善を求めていくなど、必要な対応を行っていく必要があるというふうに考えております。
       そしてまた、県といたしましては、JAなどと連携しながら、販売が安定する体制整備といたしまして、小売業者や加工業者などとの契約的な取引の拡大、そして集出荷また貯蔵ができる施設整備によります市況に対応した出荷体制の整備、そして小売また物流会社と連携した物流コストの軽減などに取り組んでおるところでございます。このように、生産性、収益性向上とともに、国の各種制度の活用や制度と連携した安定販売の強化を通じまして、農林水産業の経営の安定、持続的発展を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  • 丸山達也知事答弁

    • JFしまねの執行体制について
    •  現時点で、執行体制が新しくなるのかどうかということ自体が不明ですけども、JFしまねにつきましては、昨年度の法令に基づく条例検査で多くの法令違反等が確認されまして、組合員への損害も危惧されることから、県としても各種業務改善命令を発しているところでございます。新しい執行体制につきましては、これらの県として求めております業務改善を行っていただく、そして議員からも御指摘のございました事務遅延等によります法人税、消費税の無申告加算税や、施設漁港利用の占用料の遅延による遅延金といった、事務が円滑に遂行されていれば支出する必要のない支出が起きない、そして、もっと前向きに、国の新規事業で有利に漁具漁網の更新ができるといった制度の着手が、なぜか1年間、丸ごと遅れてしまってると、前向きなことが遅れてしまうといった、その両面から、そういった事態が改善され、漁業者の所得向上をはじめとする組合員の利益につながる体制が確立されるべきというふうに考えておるところであります。
  • 瀬尾光広農林水産部次長答弁

    • 米の価格と在庫の状況および農業経営収入保険の加入状況と問題点について
    •  2020年産米の価格につきましては、昨年秋の出回りから4月末までの相対取引価格の平均で見ますと、60キロ当たり、全国では全銘柄平均1万4,860円、前年比で856円、約5.4%の減、島根県産のコシヒカリは1万5,254円、前年比で315円、約2%低下してきております。また、2020年産米の民間在庫量につきましては、4月末の状況で見ますと、全国では231万トン、前年比約113%で、27万トンの増、島根県は1万8,800トン、前年比約114%で、2,300トンの増となっており、民間在庫量が積み上がっている状況であります。
       2021年産米につきましては、先般公表されました4月末現在の作付動向によりますと、主食用米の需給均衡のためには、全国でさらに16万トン、3万ヘクタールの作付転換が必要とされております。例年4月に国から、6月末現在の民間在庫量を踏まえた需給の見通しが公表されますが、2021年産米につきましては、コロナ禍による業務用を中心とした需要の減少を考えますと、民間在庫量の増加とこれに伴う価格の低下が懸念されるところでございます。
       農業経営収入保険の加入者は、本年4月末現在863名となっており、これは農業経営体数全体1万5,285経営体の5.6%となっております。販売金額別で見ますと、販売額500万円未満の農業者の加入率は2.9%と低く、販売額500万円から1,000万円の農業者で36.4%、1,000万円以上では42.3%と、販売金額が大きいほど加入率は高くなっております。
       販売額の少ない農業者を中心に加入率が低い要因の一つといたしまして、青色申告の実施が加入の要件となっているということがあり、特に就農1年目の新規就農者は青色申告の実績がないため加入することができないといった課題、また2年目からは加入できるものの、青色申告の実績が5年分そろうまで保険率が低くなるなど、農業経営収入保険のメリットを十分享受することができないといった課題もございます。また、農業者からは、農業の販売収入が補償対象となっているため、資材費の高騰や人件費の増加など、経営コストの上昇に対応できないといった意見も聞いているところであります。
       県としましては、引き続きよく実態を注視し、必要があれば国に要望するなど、対応を検討してまいりたいと考えております。
  • 瀬尾光広農林水産部次長答弁

    • 水田園芸への誘導と適地適作の推進について
    •  県ではこれまでも、水田での高収益作物の導入を進めてきたものの、県として明確な振興品目を絞り込まず推進してきたことから、生産品目が少量多岐にわたることとなり、その結果、県から質の高い技術指導が提供できず、販売面でも、ロットの小ささから、安定販売につながる販路の確保ができてないという状況がありました。こうした反省を踏まえまして、現在は、今後の需要見通しや収益性を比較考慮し、県が責任を持って品目を選定し、支援策と技術指導を集中的に講じているところであります。
       まずは、現在選定している水田園芸6品目を全県的に拡大し定着させていくことが必要でありますけれども、その上で、地域の実情を踏まえ、収益性の高い農業構造に転換を図るという趣旨に合致し、十分な需要や収益性が見込まれる品目であれば、新たな推進品目として検討してまいりたいと考えております。
  • 瀬尾光広農林水産部次長答弁

    • 木材価格の動向と林業の採算性向上について
    •  アメリカでコロナ禍での在宅勤務が増えたことに伴う住宅需要の増加と、海上輸送運賃の上昇により、輸入材の価格が上昇し、国産材も値上がりを始めております。
       2年前から、県内5市場の杉丸太平均価格の値動きを見ますと、令和2年6月にはコロナの影響により、前年同月に比べ9%下落しましたが、令和2年11月にはおおむねコロナの影響が出る以前の水準にまで回復し、横ばい傾向にありました。その後、令和3年4月から上昇に転じ、令和3年5月にはコロナ前に比べて10%上昇し、1立方メートル当たり1万3,100円となっております。国が公表しております輸入ベイマツ価格も同様の推移をしており、令和3年5月には、コロナの影響を受ける2年前に比べ14%高の1立方メートル当たり2万5,000円となっております。
       従来、県内の造林は、1ヘクタール当たり3,000本を植栽することが主流でありました。このモデルでは、植栽後5年間の下刈り、3回程度の間伐を経て収穫できる50年生で約700本程度に仕立てます。こうした森林経営のモデルでは、植えてから伐採までの収支は36万円の赤字となっておりました。
       このため、県では、伐採、植栽を無駄なく連続して行う一貫作業や、1ヘクタール当たり2,000本とする低密度植栽、生産性を上げるための機械化や路網を整備し、トータルコストを15%下げ、主伐収入を5%上げることで、収支を24万円の黒字に転じるモデルを示し、令和2年度に植栽された森林の85%でこの経営モデルが取り入れられております。
       一方で、森林経営は長期にわたることから、こうした経営モデルによって将来の収支がどのように見込めるか、データを収集し、森林所有者や林業経営体に情報提供するためのモデル林の設定を検討いたします。
  • 瀬尾光広農林水産部次長答弁

    • 海面漁業および内水面漁業の状況について
    •  まき網漁業につきましては、過去5年間で漁獲量23%減、販売金額13%減と、いずれも減少傾向となっております。本年1月から4月までの今季の状況は、漁獲量、販売金額とも、過去5年間の同時期の平均と比較しまして3割から4割程度下回っております。
       底引き網漁業は、過去5年間で漁獲量22%減、販売金額19%減と、いずれも減少傾向となっております。今季は、漁獲量、販売金額とも、過去5年間の平均を2割程度下回っている状況であります。
       定置網漁業は、過去5年間で漁獲量23%減、販売金額17%減と、いずれも減少傾向となっております。今季は、漁獲量、販売金額とも、過去5年間の平均を1割から2割程度下回っております。
       一本釣り漁業は、過去5年間で漁獲量40%減、販売金額37%減と、いずれも減少傾向となっております。今季は、漁獲量、販売金額とも、過去5年間の平均を2割から3割程度下回っております。
       内水面漁業では、過去5年間と比較しますと、漁獲量では4,100トン程度で横ばい、一方、販売金額は、従来の30億円程度が、ここ2年連続で35億円を超えております。これは、令和元年はシラウオの近年にない豊漁、昨年はシジミの単価アップによるところが大きいと考えております。本年1月から4月までの今季の状況は、漁協への聞き取りによりますと、シジミでは、昨年に引き続き単価が高めに推移しております。また、今月1日に多くの河川で解禁となりましたアユ漁の今季の状況は、河川によってばらつきがあるものの、一部の河川では昨年に比べ良好との声も聞いているところであります。

 


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