令和3年11月議会一般質問(2)

  • 空き家対策について

    • 地域の薪炭取得地とし村有林(公有林)として登記されていた里山が、昭和30年の市町村合併時に村民の個人所有地として配分(地域によって1世帯当たり10aなど)されたり、旧村で生産森林組合を設立して財産移設された森林が放置または所有者不在や境界不明で荒廃しております。
      国土調査では所有者不在、筆界不明、法面整備の公共事業では相続手続きの煩雑さで事業遅延し、豪雨時には斜面災害の主因となり、またイノシシやシカなど野生鳥獣の隠れ家となっています。現状は、相続する意思が無くても権利を有しておれば被相続人として取り扱われ、それが、さらなる荒廃の基となってきておりますが、近年は森林のみならず田畑(農地)もそうした状況になりつつあり、ついに家屋も同様の様となってきたと感じます。(1)初めに、令和2年度末の県内の放置森林の面積および荒廃農地の面積についてお尋ねします。(知事)
      全国住宅統計調査や住宅・土地統計、家計、消費実態調査を見ますと、2008年の全国の住宅総数5759万戸のうち空き家は268万戸が2018年には6241万戸と349万戸となっており、持ち家世帯では世帯主の年齢構成が2008年は34歳以下(4.1%)、35~44歳(13.6%)、45~54歳(18.7%)、55~64歳(26.6%)、65歳以上(36.9%)に対し、2018年は34歳以下(2.8%)35~44歳(11.0%)45~54歳(17.7%)55~64歳(20.1%)65歳以上(48.3%)と急速に高齢化してきています。
      住宅ローンの利用と残債を持っている比率は概ね60~70%と、あまり変化はなく、依然として核家族化の進行は続いているものの、住宅の世代移転が進まないことが如実に表れております。(2)そこで、島根県内の持ち家世帯の世帯主の年齢構成の推移状況についてお尋ねします。(知事)
      2018年統計の都道府県別空き家率の上位を見ますと、高知県が住宅戸数391,600戸のうち空き家戸数は50100戸(12.79%)、鹿児島県が879400戸のうち105200戸(11.96%)、和歌山県が485200戸のうち54400戸(11.21%)で、島根県は4番目の314200戸のうち33200戸(10.57%)が空き家となっておりますが、過般の選挙で県内を廻った皮膚感覚では、(3)県内市町村の空き家比率は統計数値よりも高いように感じたところですが、令和2年度末の県内の空き家の状況について把握されていれば、その状況をお尋ねいたします。(知事)
      報道では、松江市で新たな空き家対策が新規政策として講じられるとありますが、(4)主として定住財団を通じて行われてきた従来の島根県の空き家対策、とりわけ住宅の流動化対策の強化が必要と考えるところですが知事のご所見をお尋ねいたします。(知事)
      統計数値や過疎、高齢化等の状況から見れば、遠からず、高齢世帯の消滅が空き家軒数を激増させることは必至で、現状のままでは、森林や農地の荒廃も急速に進む可能性が強いと思われます。(5)従来、日本社会が持ってきた土地・家屋の継承、言い換えれば、財産の所有権の継承が「家を継ぐこと」という発想を根本的に転換し、財産の管理権の継承という視点での法制に変更する必要があると考えますが、知事のご所見をお尋ねいたします。(知事)
  • 丸山達也知事答弁

    • 県内の放置森林と荒廃農地の面積について
    •  放置森林につきましては、定義、公表されている統計数値は存在いたしませんので、推計をさせていただきました。県内の森林面積が約52.3万ヘクタールでございます。これから、林業公社や森林組合など知識、技術を有する機関に委ねられている森林約37.8万ヘクタールと国、県、市町村有の森林約6万ヘクタールを除いた約8.5万ヘクタールが、適切な森林管理がなされていないおそれがある面積と考えられます。これは、面積全体の約16%に当たるものであります。
       また、荒廃農地の面積につきましては、農林水産省の調査によりますと、島根県では約0.7万ヘクタールでありまして、県内の農地面積約4.3万ヘクタールの約16%を占める状況にございます。
  • 丸山達也知事答弁

    • 県内の持家世帯の世帯主の年齢構成の推移と空き家対策について
    •  都道府県別の数字につきましては、国において昭和58年から5年ごとに実施されておりますので58年以降の調査結果に基づいてお答えをさせていただきます。
       調査が始まった昭和58年は、29歳以下が2.8%、30歳代が18.9%、40代が25.3%、50代が28.8%、60代が9.2%、65歳以上が15%となっております。昭和63年は、29歳以下が1.7%、30代が15.7%、40代が24.5%、50代が27.6%、60代が11.7%、65歳以上が18.9%となっております。これ以降は10年刻みでお答えをさせていただきます。平成10年は、29歳以下が0.6%、30代が6.3%、40歳代が21.8%、50歳代が24.1%、60歳代が12.0%、65歳以上が34.9%となっております。平成20年は、29歳以下が0.5%、30歳代が5.1%、40歳代が12.3%、50歳代が24.6%、60歳代が13.7%、65歳以上が42.5%となっております。最後に、平成30年は、29歳以下が0.6%、30歳代が4.7%、40歳代が11.9%、50歳代が16.5%、60歳代が11.5%、65歳以上が52.7%となっているとこであります。
      令和2年度の県内の空き家の状況については、国の直近の調査は平成30年度であり、次回の調査は令和5年度に実施される予定であり、令和2年度末における県内の空き家の状況が分かるデータはございません。
      住宅の流動化対策の強化についてでありますが、議員御指摘の人口減少や核家族化の進展などに伴い増加する空き家につきましては、今年度県と市町村で検討会議を設けまして、現状や課題、対策の強化についての検討を行っております。その中で明らかになった共通課題といたしましては、空き家所有者の意識の問題、活用のための経費や労力の負担の問題、登記手続の煩わしさから来る相続未登記の問題、専門的な相談窓口の不足といった問題があったとこであります。また、特に中山間地域では民間の不動産業者などが不足しておりまして、空き家流通のための仕組みが整っていないことも課題でございます。
       こうした状況を踏まえまして、県といたしましては、空き家対策の中心となって進めていただいております市町村や専門的ノウハウを有します関係機関と連携いたしまして、空き家の流動化を促進するための方策を検討中でございます。具体的には、市町村の空き家バンクの活用に向けて、空き家所有者の相続登記手続や空き家物件調査を促進すること、また市町村による空き家改修や老朽危険空き家除却の促進、定住財団と関係機関が連携しましたUIターン希望者への専門的な住宅相談の充実、中山間地域における市町村と建築業者や地域運営組織の連携強化などを検討しているところでございます。
       こうした様々な方々に参加していただく取組を通じて住宅の流動化を促進し、空き家対策を強化していきたいというふうに考えているところでございます。

  • 丸山達也知事答弁

    • 土地、家屋の継承に係る発想の転換について
    •  財産の管理権の継承という視点で法制を変更する必要があるとの御指摘についての見解を申し上げます。
       土地や家屋、農地や森林などの相続財産について、民法の相続制度が相続人への所有権の移転を主とした制度であることについては議員御指摘のとおりでございます。
       財産の所有権につきましては民法206条におきまして、所有者は法令の制限内において自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有するとされておりまして、この権利の中には財産を放置している状況も許容されますので、土地所有者の不在や共有者の増加によりまして、管理が行われず放置される農地や森林、空き家の増加が深刻化している状況にございます。このため管理を義務化するなど制約を課すことも当然考えられますけれども、そもそも憲法第29条第1項におきまして財産権が保障されていることから、これに制約を課す場合には公共の福祉の範囲内でなければならず、慎重な検討が求められるとこでございます。
       農地や森林の荒廃、空き家の増加は全国的な問題でありまして、令和3年4月には、所有者不明土地等の管理不全化への対策として民法、不動産登記法が改正され、また相続土地国庫帰属法が制定されたところであります。これらの中では、相続登記の義務化、土地の所有権を国庫に帰属させるための制度の創設、放置された土地、建物の管理制度の創設などが規定されておりまして、相続登記の義務化については3年以内、その他については2年以内に施行、実施されることになっております。これらの法改正の効果を見極めていただきながら、引き続き国会において、適切な財産管理のために必要な法制度について検証や議論がなされる必要があるというふうに考えておるとこでございます。

 


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