令和4年2月定例県議会一般質問(2)

  • コメの消費拡大について

    •  農林水産省によると、令和2/3年の主食用米需要量は704万tと推計されております。令和3年6月末の段階で民間在庫量はそのうちのおよそ30%にあたる218万tに上ると試算され、令和4年6月末時点の民間在庫量を213~217万トンと予想されていますが、JA全中はそれよりさらに大きくなる推計としており、「米余り」による米価の下落傾向は必至と考えますが、その状況と価格動向の現状についてお聞かせください。(農林水産部長)
       米の販売価格を安定化させるための方策は、需要と供給のギャップをなくすことが重要で、市場ニーズを意識した生産体制の確立と農家と実需者との直接取引のへ拡大が図られていると承知しております。ところによっては、関係機関が連携して高付加価値米の生産や低コストな生産体制の整備実需者のニーズをよく把握している卸売業者が農家やJAとの仲介役を担い、価格の安定化に貢献している例もあると聞いていますが、相場の下落が予測される中で、米価の安定化に取り組み、農家収益を上げるためにはどのような対応が必要とお考えになっておりますのか、ご所見を伺います。(農林水産部長)
       令和4年度の水田活用の直接支払交付金は、産地交付金に新市場開拓用米(輸出用米)の複数年契約の取組や有機栽培や高収益作物、麦、大豆等への転換に向けた土づくりとして地力増進作物による土づくりの取組に対する支援が付加されました。 
      食生活の変化や少子高齢化などを背景に主食用のコメの需要が減っていることを受けて、農林水産省は、生産農家が家畜の飼料になるコメや「米粉」用のコメなどに作付けを切り替えた場合、補助金を出す制度を設けています。
       当初計画においては、米粉用米の生産量を2008年産の1千tから2020年産の50万tへ、飼料用米の生産量を9千tから70万tへ増加させる目標を定めていましたが、実需者ニーズに対応した安定供給体制の構築や多収米品種・栽培技術の普及による単収向上、生産者と加工事業者、配合飼料メーカーのマッチングなどの課題が克服できず、目標達成には至っていません。残念ながら、全国の2021年産の米粉用米の作付面積は7千ha、生産量は4万tで、飼料用米は11.6万ha、62万tの水準で、米粉で50万t、飼料米で450万tとされる需要にはとても追いつかない水準であります。
       現在、飼料用米・米粉用米は、数量制で10a 当たりの収穫数量で5.5 万円より10.5 万円の交付金がありますが、2021年産米の全国と島根県の米粉、飼料用米(WCSを含む)の作付けと生産量および補助金の交付金額をお示し下さい。また、米粉と飼料米の生産は当初計画の見込みと実際の数値が大きく乖離していると考えますが、国および県の状況についてお聞かせください。(農林水産部長)
       飼料用米の作付けが当初見込みの半分程度とは言え、比較的順調に拡大してきたように思いますが、米粉生産はさほど進んでいません。米粉は、団子や麺、パン、ケーキなどに小麦粉の代わりに使用することができ、1年間の小麦の需要量574万t(国産は85万t)の10%を置き換えると食料自給率の向上や水田活用に貢献できると考えます。
       例えば、県内家庭の朝食では、主食がご飯とパンが半々だとすると、食卓に供されるパンを米粉パンに置き換えるとどのくらいのコメの消費が拡大すると試算できますか。また、学校給食用での米粉パンの導入状況についてお聞かせください。加えて、可能な限り、小麦粉を米粉で転用した場合、計算上で、全国で、米粉の作付け面積と生産数量はどの程度必要になると試算できますか。(農林水産部長)
       ところで、通常、米粉をパンやケーキなどに活用するには、通常の製粉方法ではなく、超微粒子製粉が必要と言われますが、県内の取り組み状況についてお聞かせください。(農林水産部長)
       米粉の生産が進まない理由は、小麦粉との置き換えが全く進まないからに他なりません。関係者の皆さんからは、なんだかんだと理屈をつけて、できない理由を聞くのですが、どうしたらできるのかと言う声はほとんど聞こえないのです。パンやお菓子用の米粉はもちろん、てんぷらやフライに至るまで、小麦粉は米粉で代用できるとされており、県内の高校の食品製造に関わる課程や島根大学、調理師学校、産業技術センターなどで秀逸な米粉の開発や利用法を実験し、『島根県から米粉の利用を拡大するプロジェクト』を実践して、全国に発信してほしいと考えます。それが、きっと島根県のコメと水田を守ることにつながり、全国に波及するに違いないと考えますが、ご所見をお尋ねします。また、島根県で開催されていた『食の縁結び甲子園』は、令和2年、3年は開催されていないようですが、こうした機会で、米粉を題材にした取り組みを考えても面白いのではないかと考えますが、ご所見をお尋ねいたします。(農林水産部長)
       亡き浅野俊雄先生は農村集落を支える農業戦略を進める全国県議の会を主宰され、各県の県議会重鎮が自民党本部で自民党のコメ議連の国会議員の先生と丁々発止の議論をたたかわせられました。小生は書記役を仰せつけられ、その都度同席させていただきました。2006年か2007年だったと記憶していますが、その折に、主食用米の価格を維持するためには、飼料用米や米粉への転換に反当50,000円程度の支援を行って、主食用米の作付けを減らすプランが提案され、その後の転作の柱となった記憶があります。言い換えれば、飼料用米や米粉生産のプランは、島根県発のコメ対策プランだと言っても良いのであります。
       国内では熊本県で米粉の普及のために様々な取り組みが図られていると聞いております。米粉の製品開発や利用促進、用途開発、製品利用の定着などには国の手厚い支援措置があるようですが、島根県でも、コメの消費拡大のために様々な取り組みを予断なく行ってほしいと考えますが、ご所見をお尋ねいたします。(農林水産部長)
  • 西村秀樹農林水産部長答弁

    • 米価の状況と農家の収益向上に必要な対応について
    •  全国の食用米の需要量が毎年約1%、10万トンずつ減少する中、コロナ禍により外食を中心とした業務用需要が大幅に減少したことにより民間在庫量が積み上がり、令和3年産米の価格が下落しております。JAしまねの令和3年産米の買取価格は60キロ当たりが前年比で2,000円から2,200円の引下げとなっており、全国の主産地におきましても前年比で2,000円から3,000程度下落している状況です。また、JAと卸との相対取引価格は、昨年秋の出回りから12月末までの平均で見ますと、60キロ当たり、全国では全銘柄平均1万3,033円、前年比で1,489円、約10%の低下、島根県産コシヒカリは1万3,662円、前年比で1,735円、約11%低下しております。
       議員御指摘のとおり、国から示された需給見通しでは令和4年6月末の民間在庫量は前年と同様に高水準とされており、令和4年産の米価下落への懸念が拭えない状況と考えております。
       島根県の主食用米生産量は約8.6万トン、全国シェアの1.2%にすぎず、県産米の価格は全国の需給動向の影響を大きく受ける状況でございます。このため、米価の安定にはまず全国レベルでの需要に応じた生産、過剰時における実効性のある対応、全国的な需給バランスを改善するため米の需要回復、拡大が必要と考えており、国に対しても要望を行っているところであります。
       また、県としましては、米価の安定と収益確保のため、県産米の単価の確保につながる販売促進活動、広域的な低コスト生産の仕組みづくりに必要な低コスト機械、施設整備、観光サイドと連携した誘客キャンペーンによる県産米の消費拡大などを今年度補正予算等で措置し、支援を行ってまいります。
       今後、将来にわたり農家が安定的な収益を確保し持続できる米作りを確立するためには、担い手の大宗が徹底的なコスト削減に取り組むことはもとより、主食用米に水田園芸の高収益作物や麦、大豆等の戦略作物を組み合わせて水田農業全体を維持発展させていくことが重要と考えております。
  • 西村秀樹農林水産部長答弁

    • 米粉、飼料用米の生産状況と補助金交付額および当初見込みと現状について
    •  令和3年産の米粉用米につきましては、作付面積は、全国が約7,600ヘクタール、島根県9ヘクタール。生産量は全国が約4万トン、島根県44トン。補助金交付額は単価の中央値による試算額となりますが、全国が約61億円、島根県720万円程度であり、WCS稲を含めた飼料用米の作付面積は、全国が約16万ヘクタール、島根県約1,300ヘクタール。生産量は、WCS稲の公表数値がございませんので飼料用米の数値となりますが、全国が約61万9,000トン、島根県約4,000トン。補助金交付試算額は、WCS用稲を含めて全国で約1,280億円、島根県11億円程度であります。
       また、当初の生産計画と現状につきましては、国では食料・農業・農村基本計画において食料自給率の目標を設定し、それに基づき5年ごとに10年後の目標数値を見直すこととされており、平成22年の計画において米粉用米、飼料用米の生産数量目標が設定されております。
       その後、米粉用米につきましては、平成27年の計画見直し時に米粉の1人1年当たりの消費量が目標値に対する進捗率8%という実態を踏まえ、当初50万トンの目標を10万トンに下方修正され、令和2年の計画では、新たな米粉製品の開発、普及などによる国内需要の拡大やグルテンフリー市場に向けた輸出拡大を図るとして13万トンに見直されております。
       飼料用米につきましては、平成27年の計画見直し時に、平成24年度の実績が進捗予定値24万トンに対して16.7万トンで進捗70%といった状況を踏まえて、反収の大幅な向上や作付面積の拡大を目指すこととして70万トンの目標を110万トンに見直されましたが、進捗状況を踏まえて、令和2年の計画では70万トンとされております。
       県では目標設定はしておりませんが、その状況につきましては、米粉用米は島根県産米粉の供給スキームを構築し、米粉パン、水産ねり製品、シフォンケーキなどの利用促進に取り組んだ結果、平成24年には最大24ヘクタール、130トンまで拡大しましたが、消費者のニーズに応えていく商品の開発は難しく、販売が伸びなかったことから、米粉の利用定着にはつながらず、現在は9ヘクタール、40トン程度を需要に応じて供給しているという状況であります。
      飼料用米は、平成21年に生産者、農業関係団体、流通事業者、需要者を構成員とする飼料用米推進協議会を立ち上げ、島根県単独での供給スキームを構築することで養鶏協会からの要望数量3,000トンの安定的な供給を継続しております。
  • 西村秀樹農林水産部長答弁

    • 小麦粉を米粉に転用した場合の試算について
    •  総務省の家計調査によりますと、島根県の1世帯当たりのパンの消費量は1年間でおおむね46キログラム、そのうち食パンは半分、約23キログラムとなっております。食パンが御飯に置き換わるものとして5枚切り食パン1枚が御飯1膳として試算しますと、1世帯当たり約24キログラムの米の消費量が増加しますので、島根県全体では1年間で6,500トン、島根県の米の生産量の約7.6%に相当する米の消費量が増加するということとなります。
       学校給食用での米粉パンの導入状況につきましては、ごくまれにアレルギー対応のため使用されている例はあるようですが、小中学校の給食において定期的に導入されている事例はないと聞いております。
       また、可能な限り小麦粉を米粉で転用した場合の米粉用米の作付面積と生産数量でございます。
       農林水産省の見通しでは、令和3年度の小麦の需要量の見通しは574万トンであり、国産小麦の生産量が85万トンございますので、これを差し引くと489万トンとなります。この数量全量がそのまま米に置き換わると仮定して単純に試算しますと、作付面積に換算して約90万ヘクタールと推計され、これは全国の主食用米の作付面積130万ヘクタールの約7割に相当することとなります。
  • 西村秀樹農林水産部長答弁

    • 品質のよい県産米粉の供給に向けた取組について
    •  一般的に品質のよい米粉とは、粒子が細かく、でん粉の損傷が少ないものとされており、粒子が細かいと滑らかでふっくらとした仕上がりとなり、でん粉の損傷が少ないと膨らみがよくもっちりとした食感になることから、パンやケーキなどの用途に適していると言われております。
       議員から御紹介ありました超微粒子の米粉を製造できる製粉機として気流式粉砕装置が開発されておりますが、施設整備のためには多額の事業費が必要となることから、島根県内の事業者で導入、加工している事例はないと認識しております。
       このような中、島根県内での品質のよい米粉の供給体制については、最新の米粉製粉施設を導入している熊本製粉株式会社の協力により、県内で生産した米粉用米きぬむすめをJAしまねから輸送し、製粉した島根県産米粉を県内の食品製造企業へ供給できるスキームが関係機関の連携により構築されております。
       主食用米の需要が中長期的に減少する中、国は食料・農業・農村基本計画において、米の消費拡大の一環として米粉の普及を推進することとしております。米粉にはアレルギー物質のグルテンが含まれていないという特性があり、国は海外のグルテンフリー市場への輸出促進も含め、国内外の需要拡大に向けた取組を進めております。平成30年からはグルテン含有量が1ppm以下の米粉をノングルテンとして表示できる仕組みや米粉の用途別基準の明確化が行われており、それ以降、米粉はグルテンフリーの優位性も生かした新しい製品の開発が進みつつあります。
       他方、島根県における米粉の消費拡大の取組についてですが、現在県内の食品事業者などの実需者からは米粉を積極的に利用したいというニーズは多くございません。この背景としましては、県内ではグルテンフリー食品に対する需要が大きくないこと、米粉は粒子の細かさなどで適した用途が変わるため、一般的な米粉では小麦粉で製造した食品と同品質のものが製造できるわけではなく、使い勝手が難しいこと、米粉用と小麦粉用で別々の製造ラインが必要となること、こういった事情があると考えております。
       このため、現時点では議員から御提案のあった県の研究機関等による米粉の開発、利用法の試験などは考えておりませんが、県内で米粉の新しい製品技術として、特殊な加工技術により製パン時にグルテンの代わりに粘り気を強めるアルファ化米粉製粉施設を導入する事業者が出てきており、こうした取組を参考に、製造や需要の拡大に向けて何が必要かよく研究してまいりたいと考えております。

 


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