令和4年9月月議会一般質問(1)

  • 「地方創生」アベノミクスについて

    •  日本の国土政策は、「国土の均衡ある発展」を合言葉に、高度経済成長による右肩上がりの経済が生み出す富を地方に再配分して構築されてきましたが、経済成長が鈍化し、公共事業や補助金、地方交付税などによる地方分配型の政策が財政赤字を増大させるとして、2001年4月、「聖域なき構造改革」を掲げた小泉内閣によって見直しをされました。
       しかし、市場原理の導入は都市と地方の格差や所得格差の拡大を増幅させたため、2014年9月、第2次安倍改造内閣は東京一極集中の是正と都市と地方の経済格差を解消することによって、地方の人口減少や活力低下に歯止めをかけ、日本全体の国力を高める政策として地方創生を掲げました。一連の取り組みが始まって10年近くが経過しますが、一向に東京一極集中は解消されず、都市と地方の経済格差は増嵩するばかりであり、今日はその問題を取り上げて、議論をしたいと思います。
       はじめにアベノミクスについて伺います。
       まず、アベノミクスとは何かお尋ねします。
       また、政府が、アベノミクスで目指したものは何であったと考えますか。
       そして、アベノミクスとする経済政策は今も続けられていますが、その結果はどう評価しますか。
       ところで、さきに発表された経済指標に企業の内部留保と日銀の国債保有がともに500兆円を超えたとありましたが、アベノミクスの問題点は何だと考えますか。そして、どうすれば現状を改善できるとお考えになりますか。(政策企画局長)
  • 太田史朗政策企画局長答弁

    • アベノミクスについて
    • アベノミクスとは、2012年12月に発足しました第2次安倍政権において掲げられた大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という3本の矢によって、長引くデフレにある日本経済を立て直そうとされた一連の経済金融政策であります。具体的には、2%のインフレ目標の設定と量的、質的金融緩和による円安誘導、国土強靱化やインバウンド観光の推進、地域の産業振興などのための経済対策の実施、成長戦略に基づく法人税の実効税率の引下げなどによる企業の成長の後押しといった様々な政策が展開されました。
      アベノミクスの結果につきましては、この間、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻による影響など、日本経済を取り巻く環境が大きく変化しましたので、コロナ禍前の主な経済指標でお答えをします。
       円相場につきましては、2011年には1ドル75円台の史上最高値を記録していたものが、円安が進み、2016年から2019年までは1ドル110円前後で推移いたしました。日経平均株価につきましては、政権発足前の約1万円から、2019年12月には2万3,000円台まで上昇し、企業の経常利益も2012年度の約48兆5,000億円から、2018年度には約83兆9,000億円に拡大しております。また、国内総生産、名目GDPですが、2012年の約500兆円から、2019年には約558兆円に増加しております。
       このように、主な経済指標によりますと、日本経済はこの間、長期にわたり緩やかな回復傾向にありましたが、地方の中小・小規模企業への波及効果について課題があったと認識しております。
       なお、その後、日本経済を取り巻く環境は大きく変化しましたが、大規模な緊急緩和策といったアベノミクスの基本路線は引き継がれており、先ほどお示しした主な経済指標は、円相場を除いておおむねコロナ禍前の水準に回復しております。
      日銀の国債保有残高の増加につきましては、日銀が国債を大量に買い入れ保有することで円安へ誘導し、加えて金融市場に資金を供給することで、それが企業の投資などに回ることを期待したアベノミクスの大胆な金融政策の結果であると認識しております。
       また、企業の内部留保の増加につきましては、企業収益の増加に見合った企業間取引による分配や従業員給与の引上げが期待したほどには反映されなかった結果などが積み上がったものと受け止めております。
       問題点につきましては、様々な議論がありますが、大きく次の3点が上げられていると認識しております。
       1点目は、アベノミクスによる円安の恩恵を受けた大企業を中心に得られた果実が、直接の輸出関連の企業が少なく円安の恩恵を受けづらい大企業の下請型が中心の地方の中小企業に適切に分配されていないこと。
       2つ目には、企業の内部留保の増加率に比較して、現金給与総額が2012年から2019年の間で約2.3%しか伸びていない状況を踏まえますと、利益が従業員給与に十分に回されておらず、また非正規雇用の増大もあって、実質賃金の伸びが低調な状況にあること。
       3点目には、そうした結果、大企業が集積する都市圏と地方の経済格差の解消には至っていないことであります。
       まず、都市圏と地方との経済格差を根本的に改善するためには、政府において企業の地方への分散政策を強力かつ粘り強く推進されることが必要であり、県としても政府に対して重点要望を行っておるところであります。
       また、投資余力があり、成長分野への進出や生産性の向上が図られやすい大企業等から出た果実が地方の中小企業への適切な分配につながる仕組みと、分配を受けた地方の中小企業も設備投資や人材育成を通じ、生産性の向上と、そこから生み出された利益が適切に従業員給与に分配されるという好循環につながる仕組みが必要であると考えます。
       このたび岸田政権が示されました新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画の中でも、企業間の適切な分配につながる中小下請取引の適正化や地方の中小企業の成長や生産性の向上による利益拡大を促すDXの推進、拡大された利益を賃金に反映しやすくするための賃上げ税制の活用促進など、分配を重視した方針も盛り込まれております。
       今後、政策の具体化に当たって、地方の実情に十分配慮される必要があります。
       また、県としましても、県内中小企業の生産性の向上と利益拡大、その利益の適切な分配による賃上げにつながるよう、設備投資や人材育成などの支援に取り組んでいく必要があると考えております。

 


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